2年ぶりに彼女の音楽が舞い戻ってきた。大阪生まれ、神奈川育ちのシンガー・ソングライター大石晴子。2019年5月のシングル『怒らないで』を皮切りに、EP『賛美』(2019年)、シングル『ランプ/巡り』(2020年)と順調に作品を発表しながら、ラジオや各地のライブイベントにも出演。そのいびつなメロディをささやかなソウルフィーリングで手なづけるような歌は徐々に波及していった。 しかしコロナ禍以降は表立った活動を控えることに。その間はs**t kingzのメンバー、NOPPOのソロ楽曲に詞と歌唱で参加した“足取り”(2020年)、mogsanとのコラボバンドTATEANASによる〈NHK北の縄文プロジェクト〉のキャンペーンソング“おやすみの国へ”(2021年)で、わずかに歌声が聴けるほどに留まっていた。 久しぶりの単独作品にして初アルバムとなる『脈光』は、大きく変わってしまった世界で不在にしていた