大久保康宇さん 金魚すくいは競技だ。プラスチックの輪に薄い紙の膜を張った「ポイ」1枚で、3分間に何匹すくえるかを競う。 兵庫県西宮市の大久保康宇(やすかず)さん(49)は奈良県大和郡山市で毎年夏に開催される「全国金魚すくい選手権」で、2009年に32匹をすくって準優勝した。同市などでつくる「競技連盟」から段位五段を認定されている。 普段は西宮市の大手酒造メーカー「日本盛」で瓶詰機械を操作している。11月下旬、同社のイベントで“奥義”を実演してもらった。 水面を切り取るようにポイをくぐらせる。「並んで泳ぐ魚は、必ず同じ方向に逃げる」という習性を利用し、2、3匹同時に狙う。水中で進行方向を妨げるように軽く傾けるのがコツらしい。「金魚は前にしか進めない。浅瀬ができると、一瞬動きが止まる」。素早くすくい上げ、軽くフライパンをゆするようにポイを水平に振った。水を切って紙の負荷を減らす「三日月