代議士というのは一体どんな財の売り手なんだろうか。僕たちは財を買ったり売ったりしている経済的な存在だ。僕は『代議士の誕生』という財の買い手であり、日経BPは売り手だ。プロパイダは「ウェブ」という財の売り手であり、あなたは買い手だ。僕たちはマーケットにおいてさまざまな財の売買をしている。同じように、選挙というマーケットにおいても財の売買がなされているはずだ。通常のマーケットでは財と日本銀行券が交換される。流通しているのはお金だ。しかし、選挙で流通している通貨は国民主権である。僕たちはこの国民主権を売って、代議士から何らかの財を買っているのだ。 一般的な政治学では、代議士が売る財は「社会設計サービス」である。おのおのの候補者は魅力的な社会設計サービスを掲げて、その財の買い手である僕たちに営業トークする。「○○で日本が変わる! 地元にも利益が来る! どうか○○の実現のために清き一票を!」 それを