東芝は14日、昨年4~12月期決算(米国会計基準)で米原子力事業を巡って7125億円の損失を計上し、純損益が4999億円の赤字(前年同期は4794億円の赤字)になるとの見通しを発表した。昨年12月末時点では債務超過に陥る。今年3月末の債務超過を回避するため、半導体事業を分社化する新会社の株式を売却する割合を、これまでの20%弱から過半に引き上げることを検討する。 綱川智社長は14日の記者会見で、半導体分社化で「マジョリティー(株式の過半数)を維持することにこだわらない」と表明。損失の再発防止策として、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の株式保有割合(87%)の引き下げにも言及した。電機大手の一角を占めてきた東芝で、2本柱と位置づける主力事業がともに牽引(けんいん)力を失いかねない状況に追い込まれている。 昨年12月末時点の自己資本はマイナス1912億円と、1962年の連結決算の開示開始