2010年代に起きた「メイカームーブメント」を振り返るとともに、2020年代に始まる「ポスト・メイカームーブメント」の鍵となる企業や技術、コミュニティーを紹介する連載。ハードウェアの量産や経営に苦労するスタートアップがいる中、モノを作り続け、成長につなげることができているのはなぜか? 日本のメイカームーブメントの先駆けとして知られ、当時「ひとりメーカー」としてメディアにも大きく取り上げられた、Bsizeの八木啓太氏にお話を伺った。 2010年代に起きた「メイカームーブメント」は、製造業にとっては変革の起点だった。 2009年にStratasys(ストラタシス)が保有していたFDM(熱融解積層)方式の3Dプリンタに関する特許が切れると、それまで数百万円もしていた3Dプリンタは2010年代後半には家庭用ゲーム機と同じ価格帯にまで下がった。また、オープンソースの概念がハードウェアにも浸透した。「