工事進行基準はその名の通り、本来はビルやプラントといった長期にわたる建設工事を対象にした収益の認識基準だ。完成を待って収益を計上する「工事完成基準」をビルやプラントなどの工事に適用した場合、実際の企業活動が財務諸表に反映されるまでにタイム・ラグが生じる。 それでは、株主や投資家に企業の実態を正しく伝えらないという問題があった。このため建設業界などでは、工事の進捗度に応じて、売り上げ(収益)と費用(原価)を計上する工事進行基準が採用された。 同様の問題が、プロジェクト期間が長期におよぶITベンダーにも該当する。そこで企業の活動実態に即した収益を財務諸表に反映するために、ソフトウエア開発にも適用されることになった。09年4月以降に始まる事業年度から適用開始と定められているが、それ以前の事業年度からも適用できる。 ITベンダーにとって工事進行基準のメリットは、売上高を平準化できることである。3月