皆が知りたがるのは「どうすれば景気は良くなるか」なのだが、経済学は答えてくれない。「生産性を高めれば良い」とはいうのは定番でも、結核患者に「栄養と休養が大事」と言うのに似て、間違っていないだけで、本質を衝いてはいないのだ。では、なぜ企業は、生産性を高めようとするのか。ここで、利益を追求するからという経済学の教義にはまると、他に何も見えなくなってしまう。 ……… 家計調査の公表が1週間遅れになったため、景気の診断は、2週に分けて行わざるを得なくなった。いかに筆者でも、データがなければ、ものは語れない。特に、消費はGDPの6割を占めるから、鉱工業指数を見て、製造業や輸出を探れば十分というわけにいかない。かつては、それで済んだ時代もあったが、「円安にして輸出を増やせば景気が良くなる」式の幻想に未だ囚われているから、今のダメな日本経済がある。 2月の家計調査は、消費水準指数(除く住居等)が前月比-