NHKの大河ドラマ『龍馬伝』が完結しました。アメリカでも衛星放送の「TVジャパン」経由で放映されていたのですが、演出演技共に全く飽きさせない内容だっただけに、毎週日曜の楽しみが無くなって少々寂しい思いがします。ところで、ドラマの中で坂本龍馬は一旦世間から忘れられていたのが、高知の新聞記者が龍馬を知る人物に取材して連載読み物にしたというエピソードが出てきます。では、その後は龍馬は今のように有名だったのかというと、必ずしもそうではないようで、国民的英雄になったのは1963年から65年にかけて刊行された司馬遼太郎氏の小説『龍馬がゆく』以降でしょう。 この小説も北大路欣也さんの主演で大河ドラマになっていますが、では、司馬氏はそもそも龍馬について関心を寄せていたのかというと、そうでもなく、一説によるとその直前に発表されたアメリカの歴史家マリウス・ジャンセン先生による長編論文『坂本龍馬と明治維新("S