「機械との競争」(エリック ブリニョルフソン著)という全米で話題になった本があります。訳本も2013年にでています。内容は技術革新、IT、ロボットといったものが雇用体系を変えるとするものであります。特にその中で分かりやすい例がありますのでご紹介しましょう。 フォード自動車のヘンリー・フォード二世と全米自動車労働組合会長のウォルター・ルーサーが近代的自動車工場を視察した際の会話です。 フォード「ウォルター、ここにいるロボットたちからどうやって組合費を徴収するかね?」 ルーサー「ヘンリー、ここにいるロボットたちにどうやって車を買わせる気かね?」 資本が集中すればするほど総需要が足りなくなるという話の一部なのですが、この著書のもう一つのポイントは「チェス盤の法則」と言われるもので、チェスを作り出した男に王様が褒美をやると言い、それならばと、男がチェスの最初のマス目に一粒のコメを、二つ目のマス目に
![「ロボットは商品を買わない」という深刻な皮肉 --- 岡本 裕明](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5ca3e12d98a36e5b182766185b63cd33c26a509a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fagora-web.jp%2Fcms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F07%2Fagora-twitter.jpg)