朝日新聞や読売新聞の熱いラブコールに応えて、麻生太郎総理大臣が3年後の消費税増税を表明した。これは、解散を当面見送ることとセットになっている。臨時国会冒頭での所信表明演説で民主党の財源論に突っ込みを入れておきながら、自民党の政策は財源をどうするのかと突っ込まれて答えに窮する醜態をさらした麻生としては、早期の解散総選挙では絶対に口にできなかった3年後の消費税増税を持ち出すことによって、財源論の論戦を与党有利に進めたいという思惑があるものだろう。もちろん、これは国民には不人気を極める政策なので、一部にいわれるクリスマス解散の線はない。総選挙は、自民党の誰かが言っていた「都議選のあと」、つまり引っ張れるだけ引っ張って、任期満了寸前まで持っていくだろう。麻生が臨時国会冒頭解散のチャンスを逸した以上、自民党にとってそれしか道はなくなった。自民党内では、「解散カード」を切れなくなった麻生への求心力は、
すっかり更新間隔がまばらになってしまった当ブログだが、旧「政権交代ブログ」の興味の的は、日本郵政の社長人事らしい。しかし、この件には私はたいした興味を抱くことはできない。だって、郵政民営化の見直しだの反対だのって、あの平沼赳夫や城内実でさえ言っている、というか彼らは他にはたいしたことを言っていないのだが、彼らにさえ正論が吐ける議題でしかないからだ。もちろん、顔ではニヤけながら腸を煮え返らせている竹中平蔵が吐く捨て台詞などは論外だけれども、この問題は連立与党が公約通り粛々と進めてくれれば良いだけの話だ。 それより問題なのは、わが国の貧困率が15.7%に達し、自殺者が年3万人を超え始めた1998年以降をとっても最悪に達した(2007年)ことであり、それにもかかわらず、財務官僚の意を受けた鳩山内閣が、母子加算を復活するから、高校等就学費や学習支援費を廃止しようなどとしていることだ。 小沢一郎や植
神野直彦著『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年)の第5章より、自らの勉強の意味を兼ねて抜き書きする。 章と節のタイトルと、ポイントのみ紹介。未読の方は是非読んでください。 5 借金は財政にどんな意味をもつか 財政は借金しない方が良い(126頁) = 政府に防衛や警察サービスなどの小さな機能しかなかった頃には、均衡財政が良いとされていた。 資本的な経費は借金しても良い(127頁) = 学校・病院・橋・道路などの建設や建て替え・修復などに使う資本的経費については、借金しても良いと考えられるようになった(「建設公債の原則」)。 景気基準による借金(130頁) = 不況時には、政府が需要をつくるために財政が借金をすることが認められる。好況で税収が増えた時に借金を返す。 誰から借金をしているのだろう(131頁) = 国民から借金している。日本は外国債を発行していないので、国家破産
「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ! 「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ 私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック 持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック 過ぎ去った20世紀も、これから歩む21世紀も日本とスウェーデンは、現在までは多くの分野で「あべこべの国」の様相を呈しているように思います。それは社会に対する「価値観の相違」と将来に対する「判断基準の相違」と言ってもよいのかもしれません。 「環境問題スペシャリスト」を肩書(日本で唯一人?)として使用している私がなぜ、このブログで経済や財政、社会の仕組みを取り上げるのかと問われれば、私の環境論では、「環境問題は、私たちが豊かになるという目的のために行ってきた経済活動の結果、必然的に目的外の結果が蓄積し続けているもの」 、平たく言えば、「昔から環境と経済は切っ
政治家が悪い、官僚が悪い、マスコミが悪い、経営者が悪い、といった考え方は、完全に間違ってはいないにしても、問題の原因を「属人」的な部分に求めすぎている。こういう考え方は、きわめて高い能力と優れた人格を兼ね備えた人、いわば「超人」を要求するものだ。 日本では中央政府に権限が集中しているので、政治家や官僚はとりわけ、「超人」であることが求められることになる。しかしこれは非現実的であり、「永遠にかなわぬ夢」だ。能力は高いけれども腹黒かったり、いい人なんだけど無能だったりするのが、人間というものだろう。能力も高く人格も優れている場合でさえ、日本では「組織の論理」や「空気」によって、個人の才能が封じ込められてしまいやすい。 能力が高くて人格も高潔な「超人」のような人はめったにおらず、無限に供給されてこない。だから「超人」の登場に期待したり、それを前提とするのではなく、「凡人」でも社会が回るような「仕
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く