埼玉県教職員組合などでつくる実行委員会は9日、さいたま市内で10日に予定していた、震災と原発事故を巡る講演会「2012国際女性デー埼玉集会」を中止すると発表した。 告知チラシに記載した演題「さいたさいたセシウムがさいた」に、不適切だとの抗議が相次いだため。実行委は「講師や参加者などに迷惑をかける事態が懸念される」としている。 講演を予定していたのは、米国の詩人で翻訳家のアーサー・ビナードさん。実行委によると、タイトルはビナードさん側が「本来なら喜ばしい春の訪れを、原発事故が台無しにした現状を強調したい」と提案。「さいた」は、放射性物質の拡散が日本や日常などを「裂いた」との意味だという。ビナードさんの強い希望があり、記載に踏み切った。 実行委は「悪意や浮かれて付けたものではないが、不快な思いを抱かせたことについては申し訳ない」としている。