07« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»09 前回エントリで取り上げた雇用関係以外にも、個別の政策分野はそれぞれの立場からの評価があると思いますが、それらすべての政策を実現するための財源については、相変わらず増税か反増税かという単純な議論が繰り広げられています。誰からとるか、いくらとるかも大事ですが、それを誰に配分するのか、現金・現物をどれだけ配分するのかも同じくらい大事です。増税か反増税かで議論する方々の視界からは後者の論点がすっぽり抜け落ちているようで、まあ、おそらく後者の論点を言い出したら、国民負担率が先進国でも最低水準にあって、先進国並みの所得再分配が行われていない実態を正面から論じなければなりませんから、その点には言及したくてもできないのでしょうね。 実をいえば、私自身も以前は単純に考えていたんですが、橋
08« 123456789101112131415161718192021222324252627282930»10 昨日で震災から4か月が経過しました。先月は震災から3か月目に震災とは直接関係ないエントリを書いておりましたが、震災から日が経つにつれてその対応について見解が分かれてきていて、正直なところ、どの対応が悪いとか遅れているという議論が個人的に整理し切れていなかったのがその理由です。現時点でも、整理しきれないままではありますが、それを並べるだけでも一定の議論ができるかもと思いましたので、以下思いつくまま挙げてみます。なお、重ねてのお願いですが、一地方公務員が見聞きした範囲での断面的な情報である点に十分留意してご覧いただくようお願いします。また、3月以降のエントリで書いたことのフォローアップも一部含まれていますので、過去ログなど参照していただけると幸いです。 1 地方分権の病先日、国
06« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»08 だいぶ前の記事になってしまいましたが、dongfang99さんのエントリでなんとも形容しがたい記述がありまして、雇用とか労働をめぐる議論を象徴しているように思いましたので取り上げさせていただきます。 要は自分は、貧困・過労・失業などの問題の解決に真剣に取り組んでくれる人であれば、手段が税だろうと金融だろうと何でも構わないのである。自分が増税にやや好意的なスタンスにあるとしたら、これらの問題に直接取り組む社会保障論者の多くがそういうスタンスであり、その説明の論理を説得力があるものとして共有しているから、という以上のものではない。自分は完全に「復興」の段階に入るまでは、税と社会保障の話は混乱を避けて先送りすべきだと考えるが*1、そこまで激怒すべき話かと言われると、やはり疑問
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 海老原嗣生さんから新著『もっと本気で、グローバル経営』をご恵投いただきました。いつもながら場末のブログを気に留めていただき、改めてお礼申し上げます。 正直なところ、グローバル経営と聞いてちょっと畑違いの本をいただいてしまったかなと思いましたが、読み進めて納得の海老原節(?)でした。雇用や人材マネジメントを専門とされる海老原さんがグローバル経営を取り上げた理由については、「おわりに」で端的に書かれています。 まず、グローバル経営について、見当違いの薄っぺらな議論が、ビジネス誌をはじめとしたマスコミで、いつものことながら、なされていたこと。私がここ数年、臨戦態勢をとってきた、雇用関連の諸問題とまったく同じ構図であり、人事や経営など大して造形も深くない論客たちが、ここに参戦せいている
07« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»09 現地にいる者としてはある意味どうでもいい話ではありますが。 万年○○派の評論家は潜在的顧客の頭数を増やすように行動するのではなく、安定的で強力な自分の支持者、信者の獲得を目標にしています。万年○○派の評論家は、同じコールドリーダーでも占い師より新興宗教の教祖に近い技法を駆使していると言ってよいかもしれません。 顧客の「心に沿う」議論を基本に据えることで、彼らの心を引きつけたならば、続いて行われるのはストックスピールによる信頼の強化です。 p.33 そして経済評論家、中でも万年○○派の真骨頂は予言の的中にあります。先ほど例に挙げた「いつまでも好況が続くということはない」は必ず正しい主張です。高度成長期にも不況がなかったわけではないことを思い出してください。いつでも景気の悪
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 ブログを更新している暇があるのかといわれそうですが、その時点で見聞きしたことや考えたことをメモしておくということでご容赦いただければと思います。 1 「雇用創出」という打ち出の小槌 4月21日に開催された「被災者等就労支援・雇用創出推進会議」の第4回会議では、このような資料が提出されたとのこと。 「日本はひとつ」しごとプロジェクト・フェーズ1 主な進捗状況 1.復旧事業等による確実な雇用創出(1)復旧事業の推進・応急仮設住宅は、143地区1万2,662戸が着工済み、45地区3,581戸が着工予定(4月20日現在)。 ・宮城県内の3地区(4月19日現在)で、排水機場の応急復旧と併せて農業用排水路のがれき除去工事に着手。 ・航路や泊地等のがれきの除去、岸壁・臨港道路の補修等応急工事
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 災害関係のエントリをアップしようと考えておりましたが、通常業務に忙殺されてしまっているうちに震災から1か月が過ぎ、5回目の金曜日が過ぎてしまいました。正直なところ、ここしばらく被災地の現場に足を運ぶ機会がなかったため、災害関係のエントリを書こうにも、現場の状況を踏まえた議論ができない状況です。そうはいっても当地は被災地と隣接しておりますので、伝え聞いた範囲で考えたことをメモしておきます。諸事情により個別具体的な話では書けませんが、状況を推し量っていただけると幸いです。 1 平常時のプロフェッショナルここ数回のエントリで強調してきたところですが、震災直後の非常時には、その非常事態に応じたプロフェッショナルこそが求められる状況がありました。瓦礫の下敷きになった生存者の救助や、怪我を
今回の津波で、会社は消失致し、役職員全員の安否確認、自宅並びに家族の安否確認をしつつ、地元の片づけを行い、仮設事務所の立ち上げと役職員への給料の支払い等を無事行いましたので、ネットも見れるようになりました。 ラジオで堀江氏はネットやツイッターは凄いと言っていましたが、被災地にしてみれば外側で好きなことを並べて楽しいのだね。と感じました。 現在1名の確認が取れない状態、社員の住居及び津波により家族並びに親族が不明な方達がおりますが、復旧作業に携わることで、何とか保っているように見受けられます。 今回、無駄の象徴として叩かれた地方整備の高規格道路の供用開始が5日前にありましたが、この道路で多くの幼稚園児、小学生、中学生が助かりました。 指定津波避難場所では危険でさらに高台に逃げ、供用開始された道路に法面を登り、道路を歩いて脱出しました。途中で見つけた方達が協力して避難場所に車でピストン輸送した
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 地震発生から2週間が経過し、生存者の捜索が打ち切られました。前回、前々回と被災地支援の現場で感じたことなどをメモしておりましたが、その後の支援活動の中でつくづく感じたのは、現在の我々の日常生活がいかに多くのモノやシステムの中で奇跡的に成り立っているのかという圧倒的な現実です。被災地の多くが漁業が主な産業である沿岸の過疎地域であるとしても、世界第3位のGDPを誇る日本という国の一部であることには変わりありません。突然の大震災により発展途上国のような生活水準を余儀なくされてはいますが、長期間にわたってその生活を続けられるはずもなく、一刻も早く先進国たる日本としてふさわしい生活水準を取り戻す必要があります。以下、そのような観点から考慮すべき論点について思いつくままメモしておきます。
07« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»09 前回エントリに引き続きとなりますが、被災地から離れて支援活動に当たっている中で感じたことについて、順不同で思いついたままにメモしておきます。なお、一地方公務員が見聞きした範囲での断面的な情報である点に十分留意してご覧いただくようお願いします。 また、内閣府がまとめた「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」から、該当する部分をそれぞれ引用しておりますので、支援を考える際の参考にしていただければと思います。こちらのサイトを読んでいると、以下で挙げたほか、外国人や障害のある方へのケアも考えなければならないと痛感します。 ■医療体制医療体制の整備が急務ではあるが、現地では施設そのものが損壊しているところが多いため、全国的な支援が必要。ただし、もともと医師・看護師不足であるため、全国の
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 3月11日の巨大地震から今日で1週間が経ちます。この間、被災地では自衛隊が実働部隊となって瓦礫の撤去による道路確保、崩落した橋や道路の応急処置、避難所への物資の補給、給水等が行われております。電気や水道、ガスの復旧も進みつつあり、一部では固定電話や携帯電話も通じるようになっている被災地もあります。ただし、インフラの拠点となる施設(浄水場や送電線など)が壊滅している場合もあり、全面的な復旧には長い時間を要することが予想されます。 地元市町村役場そのものが津波の被害を受けたところも多く、それらの活動が必ずしも系統立って行われているわけではありません。電気や電話回線がストップして通信機器が使えず、そもそも情報を把握することができないことが主な原因ですが、地元のインフラや地理的事情、住
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 一部で某脱藩官僚の方が某新興宗教の雑誌に記事を投稿された件が盛り上がっているようですが、計ったようなタイミングでその某脱藩官僚の方がブレーンを務めているとされるみんなの党の予算案が公表されたとの由。 「高橋洋一氏@幸福の科学(高橋洋一氏@幸福の科学)」(hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)) 「みんなの党の緊縮財政予算案(2011-02-25)」(dongfang99の日記) 「みんなの党の予算w案(2011-03-01)」(what_a_dudeの日記) 「HALTANの日記」さんの一連のエントリ(数日後には伏せ字になるようですので、引用は控えます) これらのエントリを拝見して、ケインズの言葉が深く身にしみたので抜粋しておきます。リフレーション政策を支持される方々(
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 昨日のエントリの予想どおりではありますが、中部地区の県とその県庁所在地で検証可能なばらまき型マニフェストを掲げたカイカク派が勝利したとの由。合理的無知の理論はおもしろいほどに的中しますね。いや、これからの地方財政を考えると全然おもしろくありませんが。 今回の愛知県や名古屋市のように、地方税などの自主財源で自らの歳出をほぼまかなえる自治体(後述するように、今年度はどちらも交付団体です)で、減税を掲げた首長が当選したということのインパクトは侮れないものがあります。でまあ、こうしたチホーブンケンやらチーキシュケンの動きにうかつにもつられてしまう過疎地域もあるものの、地方交付税に手をつけないという前提の元では、これらの自主財源の比較的豊富な地方自治体が減税することによって、日本という国
07« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»09 気がついたら1月のエントリが実質2つだけで終わってしまいましたので、とりあえず近況報告的にメモなど。 前回エントリ以降の世間的な動きの中で、個人的に興味深かったのは与謝野馨氏の経済財政担当大臣としての入閣でした。個人的に与謝野氏の経済政策観には疑問符が付くものの、そのことと現時点で緊急の課題である社会保障の財源確保のどちらを取るかといわれれば、負担増を正面から議論するためには、一見財政再建主義者のように見える与謝野氏であっても、その政策を支持せざるを得ないというのが正直なところです。 拙ブログでは個人的なことは極力書かないようにしているんですが、私の立場を明確にするためにその禁を破るなら、私には障害を持つ家族がいるので、社会保障の財源確保は私自身の生活がかかっている問題
02« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»04 HALTANさんのメディア関連のエントリは深い洞察に支えられているので、その関連のエントリにはいつも勉強させていただいている立場なんですが、先日のエントリはチホーブンケンなどの流れと近い話ではないかなと思いました。 ・・・肝心要は「シロウトくさい」という点だ→ここが大事! 古い監督は「人情ものをやるなら徹底しなきゃ」と同じベタでもプロの技術で大マジメにやったり(往年のマキノ雅弘や加藤泰を見よ)、あるいは周到に伏線を練って・・・など面倒くさいことをついつい考えてしまう。もし森崎東や山田洋次が三丁目映画を撮れば作品としての完成度は数段上がっただろうが、しかしヒットはしなかっただろう。今の日本で三丁目映画を観るような観客はTVCMで想像可能な範囲内のものしか観たくないのであっ
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 子供のころ流行っていた「いじわるクイズ」で、「大阪城を建てたのはだれ?」「豊臣秀吉!」「ブー。大工さんでした!」というのがありましたが、いまもあるんでしょうか。「大阪城と豊臣秀吉」以外にも、「法隆寺と聖徳太子」というバリエーションもありましたが、ときの権力者が作れといえば、技術者がかり出されて壮大な建築物やら制度が作られるというのは古今東西を問わず見られる現象ですね。その建築物やら制度の構築を指示した為政者が称えられることはあっても、その構築物とか制度を構築した技術者が称えられることはほとんどないのも洋の東西は問わなそうです。たとえば、大阪城や法隆寺が残っていなければ、当時の建築技術がたいしたことなかったといわれるでしょうし、現存しているからこそ、豊臣秀吉や聖徳太子の権勢が現在
01« 1234567891011121314151617181920212223242526272829»03 想像の世界でマニフェストを作っていた現政権党ですが、今朝の「新報道2001」にその発言主が出ていたので、もしかしてと思ってとりあえず録画しておいたら、案の定「マニフェストなんかできるわけがない」と開き直られていました。その理屈がとてもおもしろかったので再録しておきます。 山岡賢次議員(民主党): 大臣っていいますけどね。大臣はつい昨日まで普通の国会議員だった人がなっているわけですね。あっという間に、その省庁のですね、昔からやっているエキスパートとは、どこの党がやっても現実には不可能なんですね。 可能な範囲はありますよ。でも、全部は不可能なんです。ですから、それはですね、もっと政治家軍が考えてやっていかなきゃならない。 しかし、当然100%はできませんから、それは党内にいろいろの
07« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»09 事業仕分けという人民裁判が相も変わらず耳目を集めているようですが、まあ事業仕分けの制度的なおかしさについては第一弾のときに大体書いてしまっていますので、今回は特別会計が事業仕分けのやり玉に挙がっているということで、特別会計について簡単にまとめてみましょう。まあ、「簡単に」とはいっても兆円規模の予算を扱うわけですからそれなりに資料を読み込む必要がありますので、あらかじめそのつもりでご高覧いただければ。 なお、今回は話のとっかかりとして3年ほど前のYosyanさんのエントリを引用させていただきますが、Yosyanさんの見解に異を唱えたり誤りを指摘するという趣旨のものではありませんので、あらかじめご了承いただければと存じます。まずYosyanさんは、特別会計は国会で審議されな
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