初のマイナス金利/効果に疑問を禁じ得ない 原油安の長期化で上昇率はゼロに近く、達成時期を今回で3度も先送りせざるを得なくなった2%の物価上昇目標を、是が非でも実現する。 「物価の番人」として自らが掲げたその目標に対する拘泥が生んだ新手の政策だとしても、日本経済をむしろ危険にさらすことにはならないか。そんな疑問を禁じ得ない。 日銀がきのう、金融政策決定会合で追加の緩和策として、導入を初めて決めた「マイナス金利」である。 民間銀行が日銀に資金を新たに預けると手数料を取られる仕組みであることから、そのコストを避けたい銀行が貸し出しを増やし、そのことで金利のさらなる低下や円安を促す効果があるとされる。 現在、欧州中央銀行(ECB)が採用しているとはいえ、効果は未知数であり、かえって景気を下押しする「劇薬」になるともいわれる。 大きな影響を受ける金融界には、その狙いを丁寧に説明し、「対話」