2 0 1 6 年 1 0 月 8 日 日 本 銀 行 日本銀行総裁 黒田 東彦 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」 ― 低インフレを克服するための新たな金融政策の枠組み ― ブルッキングス研究所における講演の邦訳 1 1.はじめに 日本銀行の黒田でございます。本日は、長い伝統と実績のあるブルッキン グス研究所でお話しする機会を頂き、大変光栄に思います。 金融政策を巡っては、2008 年のグローバル金融危機以降、自然利子率の低 下とインフレ予想の低下が生じるもとで、その有効性が損なわれつつあるの ではないかとの議論が高まっています。今では主要国に共通した課題として 広く認識されていますが、日本は、こうした問題に他の国々よりも早い時期 から直面し、解決に取り組んできました。本日のような場を通じて、各国の 経験を共有し、学界、市場関係者、中央銀行といった様々な関係者の間で意 見交換を行うこ