コラム 税・社会保障改革 連載コラム「税の交差点」第63回:「バブル期を上回った税収」の本当の意味 July 5, 2019 税 社会保障 税の交差点 7月3日付の新聞各紙は、「わが国の2018年度税収が60.4兆円となり、バブル期の1990年度の60.1兆円を超え過去最高となった」ことを大きく報道している。記事を読むと、バブル税収への回復が景気の回復によるものである、というニュアンスが含まれている。果たしてそうだろうか。改めてその意味を考えてみたい。 第1に、バブル期を超える税収となったという事実は、「経済が回復し税収が回復した」ということとは(ほとんど)関係ない。 そもそもGDPや国民所得はバブル崩壊後も紆余曲折はあるが増え続けてきた。1990年度の国民所得は347兆円だが、2018年度は414兆円(実績見込み)となっており、この間20%弱の増加となっている。GDPも同様である。 一方
