ゼロコロナ政策を撤回し感染が爆発した中国 中国がゼロコロナ対策を撤回してから1カ月が過ぎた。1月21日、中国疾病予防管理センター(CDC)首席専門家の呉尊友氏が「全中国人の80%がすでに感染した」との分析を中国版ツイッター「微博」に投稿し、注目を集めている。
「51年ぶりの円安」の正体 【やすお】「51年ぶりの円安」とニュースで見たので気になって調べたんですが、51年前(1972年)はまだ固定相場制で、1ドル300円台ですよね。僕の勘違いでしょうか。 【永濱利廣(以下、永濱)】いえ、間違いではありません。「実質実効為替レート」で見ると、51年ぶりの円安なのです。 【やすお】実質実効為替レートとは何でしょうか? 【永濱】自国の通貨は他国通貨と比べてどのぐらい購買力があるのか、対外的な購買力を示したレートです。 為替レートが円高になると、海外のものが円建てで安くなるので、買いやすくなる。ただ、本当に買いやすくなっているのかは、実は為替レートだけではわかりません。 【やすお】え、そうなんですか? 【永濱】はい。日本よりも海外の物価が上がっているかどうかも関係してくるからです。 たとえばアメリカと日本で比べた場合、為替レートが1ドル150円から、5年後
脱マスクに踏み切った会社も出た 国内で初の新型コロナウイルスの陽性者が確認されたのは2020年1月15日――今からちょうど3年前になる。その間、未知の感染症だった第1波から現在の第8波に至るまで、変異を続けるウイルスに翻弄されながらも、ようやくコロナ前の日常が戻りつつある。世界的にもゼロ・コロナ政策を続けた中国が対策を大幅に緩和するなど、再び「コロナ禍」に逆戻りすることは考えにくいのが現状だろう。 その一方で、コロナ禍で定着した日常的な感染対策をいつまで続ける必要があるのだろうかという疑問も浮かぶ。代表的なのがマスク着用だ。マスク着用がコロナ感染を抑える効果については数多くの有力な研究があり、おおむね着用によって感染はある程度抑えられているといっていいだろう。 その一方で、これほど日常的にマスク着用を続けたことは人類史上初めてのことであり、何らかの副作用がないのかに関しても気になるところだ
日銀の「事実上の利上げ」は防衛ラインの後退である 12月20日、日銀は、金融政策決定会合で「これまで0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大する」と決定した。誰もが予想していなかった発表で市場は大きく動いた。為替は円高に振れた。 日銀が緩和政策を変更し、今後、日米金利差の縮小で円高が進むと解説したアナリストやマスコミも多かった。 たしかにこの日銀の決定を、金融政策の変更と考えれば、この為替の動きはセオリーどおりだ。 しかし私の分析は全く違う。日銀が自身の存亡をかけて戦っている最中での決定だと理解している。日米金利差のようなテクニカル的な分析で為替の先行きを予想すべき次元ではないのだ。 20日の日銀の決定を私は「やむを得ず行った」決定だと思っている。 日銀は10年国債金利の許容変動幅を±0.1%、±0.2%、±0.25%と順次引き上げてきた。一見、物価上昇への対応のように
江戸に日本最大の城郭と城下町ができたワケ 家康は、将軍のお膝元となった江戸城と城下の整備にすぐさま着手する。 江戸城を居城と定めたことを受けて、関東の太守にふさわしい城郭と城下町の拡張に取り組んだものの、なかなか思うように進まなかった。秀吉により東奔西走させられた結果、江戸を長く留守にせざるを得なかったことは大きかった。 しかし、名実ともに天下人の座に就いた以上、その行動を束縛する存在はなくなる。家康は自分の意のままに、江戸城と城下町の拡張を推し進める。 かつての秀吉のように、諸大名を動員して工事にあたらせたのだ。秀吉の命により伏見城の築城に動員された経験を持つ家康だったが、今度は立場が替わって諸大名を動員できる立場となる。 天下人として、そのお膝元たる江戸城と城下町の拡張工事の手伝いを諸大名に命じたが、これは「天下普請」と呼ばれた。 それまでは徳川氏のみで工事は進められたが、江戸開府後は
人ごみで女性にわざと体当たりをする「ぶつかり男」は、なぜぶつかってくるのか。漫画家の田房永子さんは「私も何度もぶつかられたことがあり、『ぶつかり男』本人に抗議したこともある。どうしても、『ぶつかり男』と(映画『もののけ姫』に登場する)『タタリ神』を重ねて見てしまう」という――。 「ぶつかり男」との遭遇 「ぶつかり男」という言葉があります。街中で女性にわざと体当たりする男性のことを指します。 2018年ごろからSNS上で、男性が女性にぶつかっている様子が撮られた動画がアップされ、「ぶつかり男」と名前が付けられるようになりました。ワイドショーでも取り上げられ、女性がけがをしたニュースや、2019年には「ぶつかり男」逮捕も報道されました。 「ぶつかられたことがない。本当にそんなことがあるの?」という女性もいます。 私は結構「ぶつかり男」に遭ったことがあるので、今回は、ぶつかり男とやりとりしたこと
国会議員や会社経営者などのエリートたちは、社会的地位が高いにもかかわらず、なぜスキャンダルを起こすのか。医師の和田秀樹さんは「バカだからだ。まさか自分は失敗しないだろうと思っているのだろう。医師として、非常に危ういものを感じる」という――。 最初に縮みはじめるのは、意欲と感情をつかさどる前頭葉 脳は前頭葉から衰え、前頭葉が衰えると、脳全体が衰えます。 脳の研究者の間では、かなり早い時点から、脳で最初に縮みはじめるのが前頭葉であること、それが40代ごろから始まることが知られていました。 その一方で、前頭葉の役割については、長らく解明されていませんでした。脳のなかでもっとも大きな部位であるにもかかわらず、20世紀に入っても未知の領域だったのです。 前頭葉の役割がわかったきっかけとなったと言えるのは、ロボトミー手術でした。 1930年代にE・モニスという神経科医が、統合失調症の治療法として、前頭
一方で、いま日本に旅行する米国人は、円安の恩恵を最大限に楽しめる。日本の物価も食料品を中心に値上がりし始めているが、米国に比べれば気にならない程度だ。 ここまでの物価上昇に至った原因の第1はコロナ禍にある。通常、物価は需要と供給の曲線が交わったところで決まる。しかし、コロナ禍は両曲線の間に縦方向に楔くさびを打ち込んだ。需要はあったし(例・人々はレストランで食事をしたい)、供給も問題なかった(例・人手も材料も十分にあった)が、公衆衛生上のロックダウンが両者のマッチングを許さなかった。需要と供給が出合って交易するのが不可能だったり、コストがかかったり(それが楔の長さ)するので取引量が減少するのである。
犬は本能を理性でコントロールできない 犬という動物を知る上で、大前提として知っておきたいのは、五感の感覚が人間とはまったく違うこと。そして脳の働きも人間とはまるで違うということです。 これは当たり前のことなのですが、ともすれば、犬と家族同様に暮らしていくうちに、犬も人と同じようにものを見たり聞いたりし、人と同じような感情を持つように思い込んでしまう方もいます。 同じ空間で生活していても、犬は人間とは違う世界で生きています。 まず感覚受容器の構造が違うため、人と同じ環境にいても、目、耳、鼻から受け取る情報が人間とはまったく異なっているのです。 感覚受容器は、外部からの刺激を脳に伝えて行動を促す役割があります。 動物の行動には、それを促す何らかの刺激が必ず存在し、五感が敏感であるほど刺激を受けやすいということになります。 その行動を司つかさどるのが脳ですが、人の脳と、犬などの哺乳類の脳では大脳
グローバルIT企業は雇用を減らし格差を生む 【田原総一朗】冨山さんは今の時代を代表するGAFAのようなグローバルなIT企業は、雇用を生んでいないし、その結果として中産階級がやせ細ってしまうと言った。 端的にいえば格差社会だ。じゃあ、どうしたらいいんだという話になる。日本型企業の代表格だった企業はどんどん凋落ちょうらくしていて、雇用の絶対数は減っていく。そうなると、持っている人と、持っていない人の格差は広がるし、地方も衰退していくまま。日本はこのままじゃダメだけど、何もできないのか。 【冨山和彦】たしかに日本型企業の代表格だったグローバル市場で戦う企業、私の言葉で言えばG型企業と呼んでいるものですが、そうした企業が今後大きな成長をすることは難しいでしょう。特に国内で大きなGDPや大量の中産階級雇用を生むという意味では。 デジタル化に関しては、もう多くの大企業で取り組んでいて、業務改善的な部分
アメリカの目玉焼きは6種類もある 評論家で、勝間塾の主宰者の勝間和代さんとは長い友人である。「デフレの日本を救うには金融拡大が必要だ」と意見を述べても、日本銀行をはじめとして、経済学者、官庁エコノミスト等が、ほとんど私の話を聞いてくれなかった頃、勝間さんはデフレの深刻さを理解して政府を説得しようとしてくださった。2010年には、『伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』(若田部昌澄日銀副総裁を含め3人による共著、東洋経済新報社)を出版し、そのときからの友人である。 勝間さんがユニークなのは、本で得られる知識から思考するだけでなく、日本人の日常を直視して生活のアドバイスや評論活動を展開するところにある。他人に学ぶのではなくて、日頃の生活の中に問題を発見し、知性を働かせて日々をより豊かなもの、充実したものに変えていこうとする。生活に密着した“勝間節”は面白く有益である。共著者のよしみで、私
旅行者への支援ではなく観光業への支援 2022年10月11日から順次開始された全国旅行支援事業には賛否両論が飛び交い、中には「富裕層優遇だ! 庶民冷遇だ!」という声もあるようです。 経済的に余裕がなければ割引があったとしても旅行をすることはできず、この旅行割の恩恵が受けられるのは富裕層だけだという主張なのですが、これは2つの点で的外れだと言わざるをえません。 一つは、そもそもこれは国民(旅行者)への支援というより、旅行・観光業への支援であるということです。 零細事業者が多い業界で、コロナ禍の影響を大きく受けて支援が必要ということです。 ただ確かに、元はといえば行政が「移動するな」「外出を控えろ」「県をまたぐな」などとこの業界を痛めつけるような誘導をしておきながら、でもそれで困っているから助けようなどと、自分で火を付けておいて自分で火消しに走るという、壮大なマッチポンプのようにも見えますが。
明宏(旧名・丸山臣吾)は、昭和十年に長崎の丸山遊郭で生まれた。三島由紀夫との年齢差は十歳である。明宏の両親は、丸山遊郭の一画でカフェ「新世界」を経営していた。花街で幼少期をおくった明宏は、“男の天国”が実は“女の地獄”であることを知った。 家の隣には、劇場と映画館を兼ねる「南座」があった。明宏は、ここで坂東妻三郎や長谷川一夫の芝居を食い入るように見つめ、『女だけの都』『マタ・ハリ』『椿姫』『モロッコ』『ブロンド・ヴィナス』などの名作に親しんだ。 明宏が十歳のとき、長崎に原爆が投下された。 「阿鼻叫喚あびきょうかんの交響楽がシンバルやティンパニーの乱打とともに、何十万の悲鳴のコーラスを叫び、この世の果てまで届くよう助けを求めて哭ないていました」 新聞広告「美少年募集!」 終戦後、明宏は海星学園に進んだ。 海星学園は、オランダ坂の石畳をのぼった丘の上にあった。白亜の校舎の頂からは、聖母マリアの
インフレでは「現金は最弱の投資対象」 ここからはインフレ時代において資産をどのように管理したらよいのかという運用の話に移ります。 デフレの時代においては、現金は最強の投資対象などと言われてきましたが、インフレ時代はまったくの逆になります。インフレが進んでいる時に多額の現金や銀行預金を保有していることは損失につながることを頭に入れておく必要があるでしょう。つまりインフレ時代において、現預金の保有はご法度なのです。 インフレとは継続的に物価が上がることを意味しています。たとえば、今年100万円だった自動車が5年後には150万円になっているという話です。この時、私たちの銀行預金はどうなるでしょうか。 今、銀行に預けている100万円を下ろせば、すぐに100万円の自動車を購入できます。しかし5年後には、この自動車は150万円出さなければ買うことができません。いっぽうで銀行預金は利子を除けば、5年経っ
中国共産党は1981年の「歴史決議」で、毛沢東時代の反省を踏まえ、「徳と才を兼ね備えた指導者らによる集団指導体制を必ず樹立し、いかなる個人崇拝も禁止する」「指導者・幹部の事実上の終身制を撤廃する」と掲げていた。 ところが、10月11日に採択された41年ぶりの「歴史決議」には、「個人崇拝禁止」や「集団指導」の文言は記されなかった。そして、今回の党大会で、習近平総書記の異例の3期目が決まる見通しだ。このまま終身となる可能性もある。 習近平総書記の独裁体制を強める中国はこれからどうなるのか。神戸大学の梶谷懐教授(中国経済)、神戸大学の李昊りこう講師、中国政治ブロガーの水彩画氏の3人に聞いた。 3期目だけでなく4期目までが確実視されている ——日本のメディアでは「党大会の注目点は習近平総書記が3期目に突入するかどうか」と言われてきましたが、専門家の間ではかなり前から確定的と見られてきました。 【李
日本の郊外には「タダ同然の住宅地」が大量にある。そうした「限界分譲地」の取材を続けているブロガーの吉川祐介さんは「所有者の多くは投機目的だったので、自分の土地の場所すら把握していない。草木が生い茂り、ゴミが投棄されても、そのまま放置されてしまう。それでも住宅地なので、荒れたところは近隣住民が片付けるしかない」という――。 日本の郊外には「棄てられた土地」が大量にある (連載第1回〈なぜ日本の郊外には「タダ同然の住宅地」が大量にあるのか…「限界分譲地」という大問題を告発する〉より続く) 今回の記事執筆にあたって、千葉県富里市十倉の分譲地をあらためて訪問した。 物件サイト上では、以前は空き家だった家が貸家として入居者を募集していたり、新たに売地広告が登場したりしたが、現場の雰囲気は4年前の初訪問時と何も変わらない。
安倍元首相の国葬での菅前首相の弔辞に感動した人は少なくない。だが、違和感を覚え危機感を募らせている人々もいる。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「菅さんは『天に召された』『天国の』といった表現を使いましたが、旧統一教会も死後世界を『天国』と表現しているため、『安倍さんは旧統一教会側の人間であった』という既成事実を与えてしまいかねない」という――。 「○○さん天国に」相次ぐ訃報の報じ方はこれでよいか このところ、著名人の訃報が続いている。今年になって安倍晋三元首相(享年67)や京セラ創業者の稲盛和夫氏(90)、落語家の三遊亭円楽氏(72)、さらにはアントニオ猪木氏(79)が続いた。 スポーツ新聞やテレビワイドショーでは「◯◯さん、天国に」などという表現で、その死を報じている。しかし、この「天国」という言葉の定着に、仏教界が危機感を募らせている。 「天国」は、主にキリスト教用語であり、仏教の
コープさっぽろの宅配サービス「トドック」が急成長している。北海道のほぼ全域をカバーし、利用者は約44万人。さらにアマゾン進出を見据え、取扱商品の価格はすべてアマゾンの売価を下回る設定にしているという。北海道新聞の浜中淳記者の著書『奇跡の小売り王国「北海道企業」はなぜ強いのか』(講談社+α新書)からお届けする――。 パルシステムなどと同じ「生協の宅配」だが… 道民の食生活を守る強固なセーフティーネットの役割を果たしている事業者として、もう一つ忘れてはならないのが、コープさっぽろである。北海道の食品小売市場でほぼ8割のシェアを握る3極の一角で、前節で指摘したように、店舗事業の拡大は限界に近付きつつある。 ここで取り上げたいのは宅配事業者、移動販売事業者としてのコープさっぽろだ。 「『ポツンと一軒家』というテレビのバラエティー番組があるが、トドックを利用すれば、あのような場所に住んでいる人も、札
旧統一教会と政治家の関係が問題視されている。参議院議員の鈴木宗男氏は「かつては関係を持っていたが、旧統一教会のほうから離れていった。『支援したい』と言われれば、それを断るのは難しい。ただし、選挙に強い政治家であれば、相手に利用されることはないはずだ」という――。 議員秘書時代は関係団体と懇意にしていた 9月27日は、「安倍総理晴れ」と言いたくなるような秋晴れでした。安倍晋三元総理の国葬については、いろいろな意見や批判もありました。しかし日本の総理として最長の在任期間8年8カ月の功績を、素直に称えるべきだと私は思います。 粛々と国葬を執り行ったことには、テロや暴力に毅然として立ち向かう日本の姿勢を、内外に示す意味もあったと考えます。 私が秘書としてお仕えした中川一郎先生は、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関連団体である国際勝共連合と懇意にしていました。中川先生は、日本の社会を共産主義
「トリュフ味」に火をつけたハンターフーズ社 スーパーマーケットの成城石井には、珍しい輸入ポテトチップスが数多く並んでいる。それゆえ、筆者のようなポテトチップス好きにとってはチェックが欠かせない店と言ってよい。 その中でもっとも売れているポテトチップスが、2020年春から販売しているハンターフーズ社の黒トリュフフレーバーポテトチップス(HUNTER’S Gourmet HAND COOKED POTATO CHIPS - Black Truffle)だ。 テレビ番組やYouTubeの試食動画、個人ブログでもよく紹介されているので、ご存じの方も多いだろう。缶タイプと袋タイプが流通しており、成城石井で取り扱っているのは袋のタイプ。2020年には100万袋も売れた。そのヒットを受けてか、国内メーカーでも今年に入ってカルビーが「ポテトチップス 至福のトリュフ塩味」を、湖池屋が「じゃがいも心地 トリュ
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