一方で、いま日本に旅行する米国人は、円安の恩恵を最大限に楽しめる。日本の物価も食料品を中心に値上がりし始めているが、米国に比べれば気にならない程度だ。 ここまでの物価上昇に至った原因の第1はコロナ禍にある。通常、物価は需要と供給の曲線が交わったところで決まる。しかし、コロナ禍は両曲線の間に縦方向に楔くさびを打ち込んだ。需要はあったし(例・人々はレストランで食事をしたい)、供給も問題なかった(例・人手も材料も十分にあった)が、公衆衛生上のロックダウンが両者のマッチングを許さなかった。需要と供給が出合って交易するのが不可能だったり、コストがかかったり(それが楔の長さ)するので取引量が減少するのである。
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