国立競技場。アメリカ選抜チームと東京大学チームがフットボールの試合を行っている。 激闘の末、ついに東京大学がアメリカを下す。その立て役者となったのはクォーターバックの片岡仁とラインメンの橘征五郎であった。ふたりは万年ドン尻だった東大フットボールチームを世界にまで引き上げたのだ。 政治学中本健の教授室にて、ゼミ生たちから褒めそやされるふたり。征五郎と片岡はフットボールチームの英雄であるだけでなく、学業においても東京大学法学部の主席を争う天才であったのだ。 後継者として教室に残って欲しいと願う中本教授に対し、ふたりは言い放つ。自分たちは教室に残るつもりはない。大企業にも官公庁にも就職しない。そんなことをしている暇などないのだ、と。 「ぼくたちが法学部政治学科で政治学を学んだのは 人が人を支配する仕組み 権力をつかむための方法を学ぶためだったといっていいでしょう!」 「社会の権力構造の