労働市場において、技能165の観点で、仕事と労働者の組み合わせが最適ではない状態にあるとき、国や地域レベルで技能のミスマッチが存在していると言われる。また、労働者が就いている仕事で要求されている技能と、労働者が持っている技能が合っていないとき、個人(または個々の仕事)レベルで技能のミスマッチがあると言われる。こうしたミスマッチが生じていると、経済全体や個人の潜在的な生産性が発揮されない可能性が指摘されている166。さらに、技能のミスマッチは労働者の転出入につながりやすく、企業にとっては採用や訓練コストの増加になるとの指摘もある167。 技能のミスマッチが生じる要因としては、景気・構造の両面が考えられる。景気要因としては、不況期に生じやすくなることが指摘されている。これは、求職に対して求人が相対的に少なくなるなかで、求職者側が要件に合わない仕事でもやむを得ず就業することなどによる。また、構造
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