ブックマーク / topnotch.hatenablog.com (79)

  • 鼻セレブ - 眠る前に読む小話

    嗚呼、鼻セレブを買ってしまいました。ちょっと風邪気味で鼻水が止まらなかったのです。 鼻セレブをご存知ない?それは、ちょっと大正すぎます。いま、セレブの最先端は、ジェット機でもなく別荘でもなくティッシュなのです。 ティッシュに金粉とトリュフが入っているのざます。嘘ですけど。 ↑ 日が誇る鼻セレブ 手触りならぬ鼻ざわりが最高で、「あーセレブは毎日、こんなティッシュで鼻をかんでいるのか」と嫉妬してしまいます。 貧民の私は、このティッシュは高価すぎて使えません。日常は普通のネピアだかネスレのティッシュで、いざという時だけ、この鼻セレブを1枚とって使います。おっと、虚勢をはってしまいました。実際は、1枚を半分にして使います。 いざという時はどんな時か?それはもう決まってるでしょう。風邪や花粉症で鼻をかみすぎて、鼻がやんごとないことになっている時でしょうね。そして、乙女の涙を拭う時だけなのです。 鼻

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    maxa55 2017/01/29
    「鼻常任理事国」好きです☆
  • 空気を吸うのさえも嫌がる潔癖症の彼 - 眠る前に読む小話

    潔癖症な人だった。 まず、電車の吊革を持てなかった。だから一緒に電車を乗る時には、彼を支えたものだ。 「公衆トイレではどうしてるの?」と聞いたら、お尻が便座につかないように浮かせているらしい。その時に私は、彼の太ももの筋肉が発達していた理由を知った。 外は好まなかったが、どうしてもべないといけない時は、自分のお箸を持参していた。でもグラスに少しの汚れでもあると気になって、口をつけれないような人だった。それでも、店員さんに「グラスを変えてくれ」というほどの強さも持ち合わせてなかった彼を見ていると、彼が悪いのではなく、彼を潔癖症にした世界を憎んだものだ。 私とキスをするのにも2年かかった。それもフレンチキスだ。小鳥のさえずりのような。それでも、そのキスがとても嬉しかったのを覚えている。 彼はよく石鹸で手を洗っていた。何か不衛生なものを触った時に、彼は1時間ほどかけて手を洗っていた。だから、

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    maxa55 2017/01/27
  • おにぎりカフェ - 眠る前に読む小話

    近所に「おにぎり屋さん」ができた。美味しいおにぎりを売っているお店だ。昆布とか、たらことか。なんだか気の利いた具の。1個200円くらいとお安い。 お米は、玄米と白米を選べる。ノリもしっとりしていて美味しい。きっと良いノリを使っているんだろうな、と思う。 そのお店はよくある持ち帰り専門のお店ではなく、店内でべることもできた。3つだけのテーブルで小さいけれど。 何度か買って帰ったことはあるけれど、店内でべたことはなかった。1人で店内でべるのは、なんだか恥ずかしがったのだ。だから「お茶しよう」と友達と話をした時に、「そうだ」と、この店を思い出した。おにぎりをべながらのお茶ってどうなのかな、と。 当日。私はたらこのおにぎりを頼んで、彼女はそぼろのおにぎりを頼んだ。そしてほうじ茶を頼んだ。 おにぎりをべながら会話をした。カフェでお茶するよりも静かで、そして、なんだか落ち着いた時間だった。

    おにぎりカフェ - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/26
    このような感じ好きです(≧∀≦)
  • 次回のランチ - 眠る前に読む小話

    会社を辞める人がいて、一緒にランチをした。 「なんで辞めるの、これからどうするの」といった定形的な質問を繰り返した。営業の仕事をしている彼女はキャリアアップのため、外資系の会社に移るそうだ。すごいな、という感嘆とともに、軽やかに会社を移れることに少しの嫉妬を覚えた。 そして日常会話になる。でも、やっぱり普段とは違う。もしかすると今日が最後かもしれない、と思うとなんだか寂しさがわいてくる。あんまり仲が良かったというわけではないけれど、それなりに好きなところもある子だった。 会社が変わると、よっぽど仲が良い相手ではない限り会う機会は極端に減る。それって、お互いの人生から、お互いが死んでしまったのと一緒だな、と思った。 Facebookで近況が流れていようとも、とはいえ、もう交わることはない。 でもそれを言うなら、電車で隣に座った人とも、もう会うことはないかもしれない。一期一会。電車に乗るたびに

    次回のランチ - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/25
    こういう感じ好きです☆
  • その目の下にあるもの - 眠る前に読む小話

    同僚に「くまがひどいね」と言われた。 昨夜は寝るのが遅かったからだろう。期末は何かと慌ただしい。 トイレの鏡で自分のクマをまじまじと見たが「クマだなぁ」と思った。かわいくない。なんだかお化けみたいだ。そして疲れている感がすごい。 くまという名前もよくない。熊を連想してしまう。かわいくない。 もっとかわいい名前だったら、このクマも、可愛がられたのかもしれない。たとえば「イルカ」とかどうだろう。 「わぁ、イルカでてるね」と言われる。なんだかうれしい。イルカに乗って海に行きたい気分になる。何よりかわいい。 でもな。 でも、彼氏に「クマでてるよ」と言ったときに「ガオー」と彼が言うのが好きなのに、イルカだと、「ガオー」はしてくれないな。悩ましい

    その目の下にあるもの - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/24
    目の下の「イルカ」いいですね☆好きです(≧∇≦)
  • 叫び - 寝る前に読む小話

    ※ちょっと怖い話系です。 「変な奴がいる」と思い、携帯から顔を上げた。変な声が聞こえたのだ。 その人は車両の真ん中あたりにいた。 女性のような長い髪の毛と赤いドレスを着た人が、何かを必死で叫んでいた。顔は見えないけれど、全身を震わせながら何かを言っている。何を喋っているのだろう、と顔を向ける。 不思議なことに、同じ車両の人たちは、その人に注意を払っていなかった。 何度も耳をすますけれど、その人の声は、ハウリングを起こしたスピーカーのようなキーッキーという高い声にしか聞こえなかった。 その時、僕は気づく。彼女は車両の中に立っているのではなかった。車両の外に立っているのだった。 それに気づいた時に血の気がひいた。彼女は、走る地下鉄の外から何かを喋っているのだ。 そして、急に僕の目のピントが彼女に合う。それは生きているものではなかった。「違う世界の人」は、見ればわかる。それは、自分たちとは違う。

    叫び - 寝る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/19
    このような感じ好きです☆
  • 満員電車の解決方法 - 眠る前に読む小話

    満員電車はもはや現代の町の病である。治る見込みのない病。オフピーク通勤が始まったところで、田園都市線の混雑は何も緩和されない。 しかし、2018年、ある鉄道会社が行った試みが時代を変えた。その試みによって、朝の満員電車が驚くほど解消された。それはこのような試みだった。 - 男性専用車両を作ったのだ あなたは「どういうことだ?」と仰るだろう。その疑問はごもっともだ。男性車両を作ることがなぜ満員電車の解消に繋がるのか。 メカニズムはこうだ。 それは「男性はそこしか乗ってはいけない」という仕組みにしたのだ。しかし、それだと男性だけが差別を受ける。そのため「女性は女性専用車両にのらないといけない」と分けたのだ。 従来の「女性専用車両は性差別だ」という問題を逆手にとって、両方の性別に電車自体を分けた。 それを聞くと「変なの」と思うかもしれない。しかし、よく考えるとトイレやお風呂は男女別々ではないか。

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    maxa55 2017/01/18
    「man in 電車」好きです(≧∇≦)
  • メニューと違うものがでてくるレストラン - 眠る前に読む小話

    その店では、頼んだメニューと違うものがでてきた。 そもそもはその店はメニューなんてなかった。座れば、何かが出て来るのだ。 「今日のあなたにおすすめ」という感じで、その人の雰囲気にあったものがでる。ただし、実際のところは「今日の買いすぎた材で作れるメニュー」という事が多かった。他の客がカレーと肉じゃがをべているのを見ると「あ、今日はじゃがいもを大量入荷したんだな」と推測がついた。 他の人がオーダーしたメニューということも多かった。みんなの分を一緒に作れば早いからだ。だから、隣の席で「オムライス」と頼むのを聞いたら、「あ、今日はオムライスになりそうだ」なんてことを想像する。とはいえ、その前の客が「チャーハン」と頼んでいたら、そのオムライスさえもチャーハンになるので、結局のところ、何がでてくるのか想像もできなかった。 そのため常連客はメニューなんて見なかった。意味がないからだ。 ただはじめて

    メニューと違うものがでてくるレストラン - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/12
    こういうの好きです☆
  • おみくじで - 眠る前に読む小話

    告白は男性からするもの、なんて古い。そんなの昭和の話だ!、と思うのだけれど、なかなかそうは言っても女性から男性にアプローチするのはなかなか抵抗がある。 だから、ミサキがタカ君に積極的になれないのもわかる。でも、アタックすればきっとうまくいくというのがわかっているから、見ていてもどかしい。カラオケで女性の曲ばかり歌う男の歌声を聞いているみたい。「あー、男性の曲を歌えばきれいに聞こえるのに、どうして難しい女性の曲を歌うんだろう。もったいない」といったような。 だから、「2017年は、タカ君に思いを伝えるようにする」とミサキが言った時は、いいね、と心底思ったものだ。 それまで「その年の抱負」というものが、なんだかうさんくさいと思っていた。そんな抱負なんて新年に決めるものではなく、やりたいと思った時に決めるべきだと思っていたのだ。でも、こうして人の意思決定の後押しになるというのを見ると、「その年の

    おみくじで - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/01
    そんな神社があってもいいですね☆
  • 年越しそば - 眠る前に読む小話

    「ねえ」と、そばをすすりながらミキが言う。 「年越しそばってさ、なんでそばなの?」 「そばは切れやすいでしょ。だから、『その時の厄災を断ち切る』みたいな願掛けがあるみたいだよ。 あと『細くて長い』ということから、長寿を願ったっていう説もあるみたい」 僕はネットを調べながら答える。 「引越そばもそうだよね。『末永くよろしく』みたいな」 「そうだね」僕はそば湯をそそりながら答える。 「でもさ、それってうどんでも良かったじゃない。どうしてそばばかりが選ばれたんだろう。うどんが可愛そうじゃない?」 それは、なかなか的確な質問だった。なぜ引越うどんではなく、年越しうどんではなかったのか。 僕はひとしきりネットの大海をさまよい、Wikipedia先生に教えをこい、一つの仮説を思いついた。彼女はとっくにそばをべ、汁まで飲んで、調べ物をする僕に飽きてInstagramを見ていた。友達の年末の日々にLIK

    年越しそば - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2017/01/01
    いきなりそば好きです☆
  • 撮影した記憶のない3枚の写真 - 眠る前に読む小話

    「大掃除をしなきゃ」と写真を整理していた。といっても現像した写真ではなく、Google photoにアップロードしたデジカメの写真の整理だ。 すると、撮影した覚えのない写真が紛れ込んでいるのに気づいた。アイスクリームの自動販売機、コーヒー、そして、手の写真の3枚。 「あれ、これ何の写真だろう」と見てみる。昔、国語の教科書でそんな話があったことを思い出した。その話では、主人公の女の子が偶然、古い写真を手に入れる。その写真がどこで撮られた写真かを探すという話だ。 いまは当時と違いデジタルの写真だから、EXIFという写真に埋め込まれたデータを見れば、それがいつ、どこで撮られた写真かはわかる。調べてみると、9か月前に鎌倉で撮られた写真だった。 - ああ、旅行にいった時か と思い出す。少し苦い気持ちで。 まだ当時は付き合っていた彼女といった最後の鎌倉の旅行。もともと喧嘩をしていて、仲直りでいった旅行

    撮影した記憶のない3枚の写真 - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2016/12/31
    このような展開好きです☆
  • 鬱じゃない人はおかしい人? - 眠る前に読む小話

    「「抗うつ剤を飲むと根拠のない自信が湧いてくる。つまり、正常な人は根拠のない自信が常に満ち溢れている」という事実」という記事を興味深く読んだ。 そこでも紹介されているのが、「の人の方が現実を正しく認識している」という研究結果だ。それの真偽はともかくとして、概念としては理解できる。 つまり「世の中を正しく分析するとにならざるを得ない」というものだ。 それを文学的な表現で修飾してしまうと、つまりはこうだ。 日は従来に比べて産業で世界で誇れるものは少なくなっている。さらに少子化がおいうちをかけるように日の存在感をなくす。今までの経済成長は期待できず、日の景気は下り坂になることは避けられない。 はたまたミクロの社会に目を落としてみても、昔みたいな地域のつながりもなくなり、学歴も確固たる拠り所ではない。会社も終身雇用ではなく守ってくれる存在ではなくなった。結婚恋愛をする者も少なくなる。そ

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    maxa55 2016/12/29
    なるほど・・・。
  • 絶好調! - 眠る前に読む小話

    あなたは人から「最近どう?元気?」と聞かれたらどう答えるだろうか。 元気ならば「元気!」と答えるし、もし辛い状態にある人は「うーん。あんまり元気じゃないかも」と答えるかもしれない。 ちなみに英語でも教科書の通り「How are you?(お元気?)」と聞かれることも少なくない。その場合、回答は「Fine(元気よ)」が提携文句であり、これはいわば対である。「not good(よくないね)」とか「so- so(まぁまぁ)」というと、「わ、どうしたの!?」と、心配される。 ある人は、その人がどんな大変な状況であっても「元気?」と聞かれたら「絶好調」と答えていた。 目にクマができて髭がぼうぼうで寝ていないのがまるわかりな状況でも。あるいは、仕事でミスして大変な時でも、「最近どう?」と聞かれると「絶好調」と答えていた。 彼が人気者な理由が少しわかった気がした。

    絶好調! - 眠る前に読む小話
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    maxa55 2016/12/28
  • クリスマスに1人で吉牛 - 眠る前に読む小話

    どんな人が好きなの?と聞かれて、「クリスマスに1人で吉牛をべるような人」と答えたことがある。 それは、ウケを狙ったわけでもない。実際の話なのだ。 - 私はクリスマスに吉牛でご飯をべるような人を好きになったことがある。 もう5年も前。私はOLで。仕事をしていると1年に1度はクリスマスを迎える。その日はクリスマスが週末にかかった年だった。私は私と同じように恋人がいない友達とクリスマスパーティで過ごした。それはそれで楽しかった。ロマンスもないけれど、悲しみもない、クリスマスだった。 そして、週明けに会社の人たちとランチに行く。「どんなクリスマスを過ごしたの」と上司が話を振る。そして、目の前にいた彼が、「吉牛でご飯べてました」と答えたのだ。 彼もウケを狙ったわけではなく、ただ淡々と、その言葉をつぶやいだ。周りの人たちは面白がって質問を重ねる。 どこの吉牛?つゆだくにしたの?出会いはなかったの

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    maxa55 2016/12/23
    こんな感じの好きです(≧∇≦)
  • タイムマシン - 眠る前に読む小話

    タイムマシンがあればいいのに、と思った。タイミマシンがあれば、こんな辛い時間を飛び越して未来にいけるのに。でも未来に行っても、私の心は私と一緒にいるままだから、辛いままなのかな。 昔、友達が「タイムマシンを見せてあげるよ」と、言っていた。 「へー」と思って、彼の家に行くと、気持ちよさそうな布団を指さした。「ほら、これら俺のタイムマシン。寝たら、あっという間に8時間後の世界にワープしてるんだ」って言っていた。 「馬鹿」って笑ったけれど、いまはそのタイムマシンが欲しい。 あの友達の横で一緒に寝れば、辛いことも少しは忘れられるかもしれない。少し無骨な手で髪の毛なんかを撫でられちゃいながら。 それってほんとにタイムマシンなのかもなー、と思った。

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    maxa55 2016/12/21
    ステキです☆
  • 冬の朝 - 眠る前に読む小話

    あー寒い。冬は寒いからやだね。早く春にならないかな。 そんな毎年つぶやいているようなセリフを吐く。もし、冬が聞いていたら気分を害するだろう。ごめん、冬。 でも、そんな冬に毒づく僕に代わって彼女は言う。 私は冬も好きだよ、と。 会話が盛り上がるのは、こういった2人の意見が違う時だ。そういう時こそ会話が弾む。犬好きと好き、納豆好きと納豆嫌い、朝好きと夜好き。 冬ってさ、空気が澄んでるでしょ。だから好きなの、と君は言う。 冬の鍋や温泉好きというならばわかるけれど、空気が好きだなんて。実際、冬は気温が低いから空気中の水分が減って、光が濁っていないんだって。だから、澄んでるのは当なんだって。 それに、朝の冬の空気って、ピリっとしてるでしょ。なんだか好きなの。 ワォ。世の中に、冬の空気を愛でる人がいるなんて信じられなかった。紫式部くらいだと思っていた。 そんな冬の空気を愛せれる彼女と一緒にいること

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    maxa55 2016/12/15
    冬のピリッとした空気好きです☆
  • 独りの帰り道 - 眠る前に読む小話

    年末の金曜日の仕事帰り。電車の中には、酔っ払いが溢れかえる。仕事で遅くなった自分にとっては、このアルコールの匂いが疎ましい。 駅について降りる。駅前のコンビニを通り過ぎて、ロータリーを回る。 駅前で電車から降りる人を待つタクシーや待ち合わせの人たちを見て軽く嫉妬をする。こんな寒い日は、私も誰かと一緒に帰れたらな、と。いつもはコンビニで買う夕も今日はなんだか買う気にもならない。眩しい世界を見たくない。 いつもの坂が見えてくる。何百回と通った道なのに、なぜか今日はこの坂がいつにもまして疎ましい。次に引越する時は、坂のない家に住もう、と思うけれど、一体、いつ引越するんだろう。 坂を登り、小さなアパートの小さな部屋に帰る。オートロックもない小さな部屋。ふと思いついたように、「ただいま」と口に出す。何も返してこない静寂。思わず出るため息。 いつの間にか一人暮らしにも慣れてしまったけれど、こういう疲

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    maxa55 2016/12/11
    設定元のブログもtopnotchさんのお話もいいですね(´ー`)
  • インターネットルネッサンス - 眠る前に読む小話

    2016年冬、Web業界で大きな変動が起こった。DeNAのWelqを発端に、キュレーションメディアの課題が指摘され、DeNAやリクルート、サイバーエージェントなど多くのメディアが自社キュレーションを閉鎖・記事削除を行った。 この出来事は、インターネットの歴史では「Welq事件」ということで記載されている。なお、このWelq事件は年があけた2017年にも継続し、まるでそれは、浜辺の焚き火のボヤが草原に着火し、くすぶった火種が山火事を生むかのような炎となった。すなわち、その炎上は日のインターネットメディアを焼け野原にしたのだ。ほぼすべてのキュレーションメディアが死滅した。それでわかったことは日のメディアはほとんどキュレーションメディアに支配されていたということだった。インターネットの検索結果のほとんどが変わってしまった。 キュレーションが滅びても、人々の怒りは収まらなかった。その矛先は、新

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    maxa55 2016/12/09
    こういう展開好きです(≧∀≦)
  • Amazonダッシュボタンで誰がくる? - 眠る前に読む小話

    Amazonから、Amazon Dash Button というものがリリースされたらしい。 いわば「ボタン」。 ボタンごとに「アリエール」や「リステリン」など日常品が設定されていて、ボタンを押すとそれが届く。 事前に、自分が「ボタンで買いたい商品」のボタンを買っておく必要がある。500円で、初回オーダー時に、そのお金は総裁される。 そのボタンは冷蔵庫や洗濯機の横においておこう。それを買いたくなった時は、そのボタンを押せば注文ができ、家に届くという話。ボタン1つで届く。なんだか魔法みたいだ。 何より、便利さというよりも「ボタン」という概念がかわいい。 我々がもっとも身近なボタンは、ファミレスのボタンだろう。あれを押せば誰かがやってきてくれる。まるで魔法のランプ。 このボタンもそんな風に誰かを呼び出せればいいのに。 カナダで働く彼や、昔に別れたお父さんだったり。 卓上のボールペンをカチカチしな

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    maxa55
    maxa55 2016/12/07
    お花を届けるボタンはステキですね☆
  • 意思決定を迫る言葉 - 眠る前に読む小話

    人は意思決定をする時に力を使う。 忙しい経営者だと数分に1つは物事を決定する必要があり、とてもそのことに疲労する。たとえ手を動かして無くても、意思決定は人の力を奪うのだ。 だから、ジョブズはいつも同じ服だった。服を考えることに時間を使いたくないのだ。私の知り合いの経営者も、プライベートで事に行く時は「相手に任せる」と言っていた。レストランでさえも決めたくないのだ。仕事で物事を決めている以上、プライベートは極力意思決定をしたくない、ということだろう。 そんな中、我々に意思決定を迫るセリフが日常にはびこっている。 それは、コンビニで問われる言葉だ。 彼らは日々、これを言う。そして、言われた私たちは、常に意思決定を迫られる。疲労困憊だ。 その言葉とは 「お箸は何膳おつけしますか?」

    意思決定を迫る言葉 - 眠る前に読む小話
    maxa55
    maxa55 2016/12/04
    確かに☆