小児科は病気やけがの子どもを治療するところですが、いま、20代、30代になってもかかり続ける患者が増えてきています。 多くは、子どもの頃に重い病気の治療を受けたことがある人たちです。 医療現場の話を聞くと、大人向けの治療につながることが難しく、命の危険にさらされかねない現状があることが明らかになってきました。 どんな問題が起きているのか、取材しました。 増える成人の患者 こども病院はいま こども病院の実態を知ってほしいと、医師に案内されたのは、小児集中治療室。 生まれたばかりの赤ちゃんと並んで治療を受けていたのは、23歳の女性でした。 女性は10月、肺炎を起こして自宅近くの総合病院に救急搬送されました。 しかし、先天性の心臓の病気で手術を受けたことがあるため、心臓の管理が難しいとして、3日後、生後間もなく手術を受け、その後も定期的に通っていたこども病院に転院となりました。