「まさかとは思っていましたが、1億円の大台を突破したのですか。韓国の出版社は今後大変なことになりそうです」 日本の作家・村上春樹の新作『1Q84』の韓国内での版権が「文学トンネ」に決まったというニュースが報じられた後、出版界は1日中大騒ぎとなった。版権競争で1億円を提示した出版社が現れたからだ。これは昨年末に出版されたダン・ブラウンの新作『ザ・ロスト・シンボル』の版権価格を上回る額だ。1990年代に1万-2万ドル(現在のレートで約93万-186万円)だった印税は、10年単位でゼロが一つずつ増えていっているわけだ。 人気作家にとって韓国は金を生む「金の卵」だ。というのは海外ベストセラーの版権をめぐり各出版社が過熱競争を繰り広げるからだ。版権の仲介業者が韓国内の出版社に「ほかではもっと高い金額を提示した」と言い、印税を引き上げるのは古典的手法に属する。毎年ソウル国際図書展を訪れる海外出