毎日新聞と全国学校図書館協議会(全国SLA)が合同実施した「第58回学校読書調査」からは、興味を持った本に出会えた子どもたちが次々に続編を読んだり、本の貸し借りを通して友達とコミュニケーションを図っている様子がうかがえた。雑誌を除く本の読書量は、小中学生は昨年より微増し、高校生は微減だった。【中村美奈子、福田昌史、山口昭、小山寛二】 ◇「記録付け」から習慣に 本を読んだ後の行動で最も多かったのは「その本の続編やシリーズの本を読んだ」で、小学生の82%、中学生の76%、高校生の65%が挙げた。 次いで「同じ種類の本を読んだ」「同じ作者の本を読んだ」「読みたくなった本を図書館や本屋に探しにいった」が、小学生はそれぞれ7割台、中学生は6割台、高校生5〜6割だった。 読書活動に力を注ぐ教師が、子どもに習慣づけさせたいと考えているものの一つに読書の記録付けがあり、埼玉県川越市では「読書マラソン」とし
毎日新聞が実施した「第66回読書世論調査」では、公共図書館の民間委託について55%の人が肯定的な回答をした。利便性の高まりへの期待からだが、民間委託を支持しない人の中では個人情報流出への懸念が大きかった。一方、専用端末の登場などで「電子書籍元年」とうたわれた2010年から3年目、電子書籍が幅広いジャンルで読まれていることも分かった。【中村美奈子、福田昌史、山口昭、小山寛二】 ◇図書館委託、支持5割超 利便性の高まりに期待 公共図書館の運営の民間委託は、地方自治体の財政悪化などから各地で広がりつつある。来年度から佐賀県武雄市が予定している、CD・DVDレンタル店「TSUTAYA」の運営会社「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」への同市図書館の運営委託は、その典型だ。 こうした公共図書館の民間委託の是非を聞くと、「いいと思う」が55%、「いいとは思わない」が38%で、支持する人が上回
◇胸のざわざわ、抑えたくて/つらい話ほど柔らかく/従来の世界、戻れない 漫画家の萩尾望都さん(62)が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に触発された作品を相次いで発表した。デビューから約40年、少女漫画というジャンルを超える名声を築いた萩尾さんが、そこに込めた思いとは何か。【田村彰子】 一面の菜の花畑の中に少女が2人、たたずむ。チェルノブイリの女の子が主人公に渡そうとしているのは、土壌汚染の除去に役立つとも言われる菜の花の種まき器だ。遠景には、水素爆発などで壊れた4基の原発が--。 小学館の少女漫画雑誌「フラワーズ」8月号(6月発売)に萩尾さんが発表した「なのはな」の一場面だ。 「原発事故後の心がざわざわする日々の中で、最初に頭に浮かんだのがあの場面だったのです。そして、それを描いてみたいと思った」 「なのはな」は震災で祖母を亡くし、原発事故のために避難生活を送る福島の少女が主人公だ
松竹が10月8日から大阪松竹座で公演する予定のミュージカル「美女はつらいの」について、原作とされる漫画を出版した講談社が「著作権者の許諾なく上演されようとしている」として、公演の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたことが15日、分かった。 講談社によると、原作は漫画家の鈴木由美子さんの作品「カンナさん大成功です!」。97年の発売以来、国内で約320万部が売れている。 同作品は韓国でもヒットし、韓国の芸能企業が06年に「美女はつらいの」のタイトルで映画化。日本国内でも漫画の原作名で公開された。その後、韓国企業がミュージカル化を企画したが、講談社との間で金銭面などの交渉がまとまらないまま、08年に上演された。鈴木さんは「漫画家として心血を注いで生み出したキャラクターとストーリーが自分のものと認められず悲しい」とコメントしている。 これに対し、松竹広報室は「本来は韓国企業と講談社との間で
◇住民の誘致運動、結実も 道内の中小書店の休業・閉鎖が近年、相次いでいる。売り場面積が1000坪(3300平方メートル)を超える「メガ書店」の出店や、インターネット注文による宅配、コンビニエンスストアなどライバルが出現したことに加え、携帯電話やパソコンの普及で「本離れ」が進んでいることも背景にある。一方、地方の住民から「文化の拠点の中小書店を守ろう」という動きも出ている。【鈴木勝一】 ■北見の老舗閉店 7月6日、北見市中心部で営業していた1947年創業の老舗書店「福村書店」が事業を停止した。 利用者の年代に応じて高さを変えた陳列棚や、コミックより広い児童書コーナー、地元ゆかりの本を幅広く集めるなど、住民ニーズを細かくとらえた個性的な店作りで地元に愛され続けた「まちの本屋さん」。しかし、負債は約5億6000万円に上り、10月に大型書店「コーチャンフォー」が開店予定のこともあり、閉店に追い込ま
京都府が児童ポルノの画像や動画の「廃棄命令」を盛り込んだ児童ポルノ規制条例制定の方針を固めたことが4日、府への取材で分かった。有識者らによる検討会議が月内にも最終案をまとめ、府はこれに沿って11年度内の制定を目指す。児童ポルノを規制する条例は準備中を含め複数府県にあるが、廃棄命令付きは全国で初めてとなる。 府によると、廃棄命令は18歳未満の性交または類似行為などが写った児童ポルノが対象。主に府警の捜査などによって把握した画像や動画の譲渡先に府が命じ、従わなければ刑事罰が科される。被写体が13歳未満の場合、有償で譲り受けたことが確認されれば命令なしでの罰則適用も検討している。 児童買春・児童ポルノ禁止法は、提供目的ではない単純な所持は処罰の対象外。関係者によると、単純所持に罰則適用できる条例を持つ県もあるが、データが一方的に送りつけられるなどすれば冤罪(えんざい)となる恐れもあり、慎重な運用
日本最大級のアニメの祭典「東京国際アニメフェア」(実行委員長・石原慎太郎東京都知事)の開催を危ぶむ声が上がっている。出版・アニメ製作の大手が協力・出展を拒否し、3月下旬の同じ時期に別のイベントも予定されているからだ。背景には、過激な性描写の漫画などの規制方法を巡ってもめた都青少年健全育成条例改正問題がある。簡易ブログ「ツイッター」でつぶやき、各社が出展拒否する口火を切った形となった角川書店の井上伸一郎社長(52)が沈黙を破り、都条例に対する思いを語った。【内藤陽】 --都が主催するアニメフェア「出展拒否」の反響は大きかったですね。 ◆これほど大きな反響があるとは思っていなかったので、私自身びっくりしている。ツイッターに載せてからわずか2日で、(大手出版社などでつくる)「コミック10社会」がフェアへの出展・協力を見合わせたのにも驚いた。みんなモヤモヤしたものがあっても抗議の方法が分からなかっ
マンガの販売規制を強化する東京都青少年健全育成条例改正問題で、アニプレックスや角川書店などアニメ関連企業8社は、11年3月26、27日に、千葉市美浜区の幕張メッセで共同イベント「アニメコンテンツエキスポ」を開催すると発表した。都などが主催し、同月24~27日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる「東京国際アニメフェア」への事実上の対抗イベントとなる。 同条例については、集英社と小学館、講談社などマンガ出版社10社でつくる「コミック10社会」が抗議し、フェアへの出展を中止することを表明しており、事務局を務める日本動画協会も21日、条例改正を「極めて遺憾」とする声明を発表して「実質的には実行不可能な事態になる」との見解を示していた。 「アニメコンテンツエキスポ」準備委員会は、アニプレックス、角川書店のほか、アニメイト、キングレコード、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン、
東京都議会民主党は25日、18歳未満として描かれたキャラクターの性的行為を含む漫画やアニメ作品について18歳未満への販売を規制する「東京都青少年健全育成条例改正案」に反対する方針を決めた。6月の定例会で都側に改正案取り下げを求めるが、都側が応じる可能性は低いため、規制を限定的にした独自の修正案提出も検討する。 改正案は都が3月の定例会で提案したが、漫画家らを中心に「表現の自由を侵す」と反対論が出て、継続審議になっていた。民主は会派内にプロジェクトチームを設置。出版業界との意見交換や書店の視察をした結果、改正案を疑問視する声が強まっていた。 独自の修正案は、「あいまい」と批判される規制対象を厳格化するなど、大幅に改変する。都側が改正案を撤回しない場合、他会派にも賛同を求める考えだ。定数127の都議会で、最大会派の民主は53議席。改正案に反対の共産(8議席)、生活者ネット(3議席)が加われば過
ビッグコミックスピリッツ:「めぞん一刻」など雑誌から生まれたドラマ、アニメの主題歌収録 創刊30周年記念CD 週刊マンガ誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)が10月に創刊30周年を迎えることを記念した2枚組みCDアルバム「SPIRITS 30 ビッグコミックスピリッツ創刊30周年 TV & MOVIE テーマソング集」(3360円)が26日、発売された。同誌から生まれた人気アニメ、ドラマ、映画の主題歌、挿入歌など31曲をまとめた。 収録曲はドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」(小田和正)、ドラマ「あすなろ白書」の主題歌「TRUE LOVE」(藤井フミヤ)、テレビアニメ「めぞん一刻」のオープニング曲「悲しみよこんにちは」(斉藤由貴)、テレビアニメ「YAWARA!」のオープニング曲「ミラクル・ガール」(永井真理子)など。 歌詞が書かれたブックレットは冊子型が多い
宝島社のブランドムック「Cath Kidson」(キャス・キッドソン)120万部発行を記念したパーティーが11日、英国大使館で行われ、プロジェクターでの投影で、大使公邸が同ブランドのモチーフの花柄に変身した。 ブランドムックは、デザイナーや新商品などブランドの情報を伝えるムックに、付録としてバッグや傘などブランドのロゴつきのアイテムが付く刊行物。1000~3000円台で、書店のほかコンビニエンスストアでも発売されている。オリコンが発表した09年の書籍マーケットリポート全体では、ブランドアイテム付き刊行物は258万1000部、32億6000万円の売り上げを記録。出版不況が叫ばれる中、好調な売り上げを見せ、社会現象ともなった。 キャス・キッドソンは英国のインテリア、ファッションブランドで、小花やバラ、野イチゴなどのモチーフが特徴。ノスタルジックなか可愛らしいデザインのかばんや小物など、若い女性
事業仕分け第2弾は、行政刷新会議の公募に応じた5社がインターネットで中継している。いずれも無料だが、2社は視聴に氏名やクレジットカード番号など個人情報の登録が必要で、残り3社もアクセス集中などで見づらい状況が続いた。会議事務局は個人情報登録について「問題ない」とするが、会議事務局には不安や批判の声が数十件寄せられた。 同会議は8~13日、中継事業者を募集。同時に2万~3万件のアクセスに耐えるシステムなどの条件を提示し、応募8社中5社が条件を満たした。 ドーガ(東京都渋谷区)の配信サイト「DMM.com」は、無料会員登録が必要で、氏名や電話番号のほかクレジットカード番号の登録を求める。別の登録方法もあるが、1000円の預かり金が必要。ドーガは「無料配信は今回が初。有料配信を前提にした登録形式のため」と説明した。 ドワンゴ(東京都中央区)が運営する「ニコニコ生放送」は、メールアドレスや氏名の登
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