もちろん、熱量が冷めないうちに、次なる展開を打ち出していくのは当然のことだ。100日かけて熱量を高めたとしても、それは最終回から10日ともたずに冷めてしまうのは、容易に想像出来る。それだけ人の心は熱しやすく冷めやすい。熱が冷めてから物販やメディアミックスを打ち出しても「今さら」と言われてしまう可能性は高い。 そういう点で、最終回終了直後、矢継ぎ早の告知に至ったのもうなずける。だが、作品のテーマを考えた際に、その“余韻”として残すべき時間、つまり読者が、そのテーマを自分なりに受け止めるために必要だった時間の感覚を、少しだけ見誤ってしまったのかもしれない。 ■制作側と読者側との「決定的なズレ」 それは、作品そのものを構成する、その中心となる文脈に「死」、さらには、そこから導き出される「感動」というものが含まれていたからだと考えられる。 仮に『ロミオとジュリエット』の舞台で、二人が自らの命を絶ち