高倉の立ち居振る舞いは、数多くの伝説とともに語られてきた。その中でも最も有名なのは、「現場で座らない」というものだ。今回、81才で臨んだ映画の現場でも、スタッフのそばにそっと立ち続ける姿が見られた。高倉はこの理由を次のように述べている。 「居たい。そばに。なるべく居て見ていたいですね。鳥肌が立つ思いの時ありますよ。スタッフの、ぼくは狂気の集団と言ったけど、本当にあの人たちの努力ですよね。一番やってる人たちが一番お金もらってない人たちなんだよね。おかしいんですけど。反省しますね。本当は後ろの人たちの力なんですよね。そういうの分かるのに何十年もかかるよね。え~ってぞくぞくするのが。何十年もかかりますよ。ぱっときても分からない」 高倉は大仰な芝居を好まない。気持ちが本物なら、大仰な芝居に頼らずとも、それは画面に映ると信じているからだ。高倉が今回、そのことについて語った言葉。 「気持ちは映らないっ