◯『旧約聖書』ゲスト講師 加藤隆 「聖書を全体で理解しよう」 「旧約聖書」は、古代のユダヤ民族が長い歴史の中で作成したさまざまな文書を集めたものです。「古代ユダヤ民族についての文書を集めた小さな図書館」のようなものだ、と言うことができます。 旧約聖書を読む上で念頭におかねばならないのは、まずは前十三世紀から後一世紀くらいまでの時代です。千年以上の期間になります。また、旧約聖書が前五〜前四世紀に編纂され始めてから、一応のところ完結するまで、五百年くらいかかっています。 どの場所が舞台になっているかも重要です。エルサレムという町があるあたり、「パレスチナ」と呼ばれる地域が中心です。 「パレスチナ」は、地中海(東)とアラビアの砂漠にはさまれた、狭い地域です。南に行って、それから西に行けば、エジプトがあります。北は、フェニキア、シリアです。そこから東に行けば、メソポタミア、ペルシア(メディア)です
