台風19号の直撃を受けた12日、宮城県丸森町の販売員佐久間明美さん(54)は「障害のある息子を避難所に連れて行けない」と自宅にとどまり、土砂災害に遭った。緊急時に「周囲に迷惑が掛かる」とためらう保護者。台風被災地でも、ハンディのある人々の避難の難しさが浮き彫りになった。 天井と壁の隙間から青空が広がる。土砂をかき出す重機も見える。「何が正解だったのか」。佐久間さんが土砂でいっぱいになった1階の長女(21)の部屋でつぶやいた。 12日夜、両親と長女、中学3年の長男(15)と自宅にいた。雨音が強まる。テレビのアナウンサーが「命を守る行動を」と繰り返す。そのたびに「無理」と思った。自閉症の長男は自室から出るのを拒み、長女は手足が不自由。2階への避難もできない。 午後7時ごろ、「ドン」と自宅が揺れた。裏山側にある長女の部屋の窓が土砂で開かなくなった。命の危険を感じ、長女と母(79)を町役場に避難さ
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