【カイロ=大内佐紀】サウジアラビアの王室は22日、同国のスルタン皇太子が同日未明、国外で死亡したと発表した。 国営テレビが伝えた。86歳だったとみられる。後継には、皇太子の弟、ナエフ内相が有力視されているが、年齢は70歳代後半。87歳のアブドラ国王は持病を抱えており、後継問題が引き続き大きな課題となりそうだ。 皇太子はアブドラ国王の異母弟で、1962年以来国防航空相を務め、米国からの兵器購入の総責任者とされるなど、両国の緊密な関係の要だった。死因は明らかにされていないが、皇太子は6月以来、米国でがんとみられる病気の治療を受けていた。 サウジでは、初代アブドルアジズ国王の死去以来、同国王の息子たちが後継の座についている。ナエフ王子は、ファハド前国王、スルタン皇太子らと母親が同じ「スデイリ・セブン」と呼ばれる有力兄弟の一人。2009年3月、スルタン皇太子に次ぐ地位である第2副首相に指名された。