年金改革をめぐり、民主党政権は年内に現行制度の修正案をとりまとめるべく議論を急ぎ始めた。税と社会保障一体改革の過程で、マニフェストに記した自らの抜本改革案を棚上げし、現実路線にかじを切ったというのが実情だ。それでも「手直し」にさえ異論は多く、財源問題も絡んで実現は並大抵でない。課題に挙げた(1)中立で公平な制度(2)最低保障機能の強化(3)持続可能性の確保--は、どこまで達成できるのか。【鈴木直、山田夢留】 現行制度では、週の労働時間30時間以上の人が第2号被保険者(2号)となる。厚生年金に入り、労使折半で保険料を払う。片や30時間未満の人は、勤め人の夫(妻)の扶養を受けていれば第3号被保険者(3号)として保険料なしに基礎年金(11年度の満額は月6万5741円)を受給できる。それが、独身や、夫(妻)が自営業だと第1号被保険者(1号)として国民年金に入り、月1万5020円の保険料(11年度)