米IBMが「スマーター・プラネット(より賢い地球)」をスローガンに掲げた背景には、自社の研究開発に対する揺るぎない自信がある。IBMは米国特許取得件数で17年連続首位を誇る。全世界で3000人の研究員を抱え、その中にはコンピューター科学者だけでなく、生物学者や数学者、物理学者も数多い。年間のR&D(研究開発)予算は約60億ドル(約5400億円)と、日本の電機大手を大きく上回る。 日経ビジネス5月10日号特集「米IBM、インフラ企業に変身」の連動インタビューシリーズ第3回に登場するのは、日本IBM東京基礎研究所の森本典繁・所長。日本の研究陣を率いるトップが、IT産業とIBMの変遷について語った。 (聞き手は日経ビジネス記者、小笠原 啓) 森本典繁(もりもと・のりしげ)氏 日本IBM東京基礎研究所長 1987年日本IBM入社。95年米マサチューセッツ工科大学のEECS(電子工学およびコンピュー