アルゼンチンで仮想通貨ビットコインを買う動きが活発になっている。同国は債権者の米投資ファンドとの協議がこじれ、デフォルトが発生。国民の一部は値下がり続きの自国通貨ペソよりもビットコインの方が安全と判断した。同様の現象は2012年に通貨危機に陥ったキプロスや、人民元への過剰介入や不良債権の蓄積に懸念が募る中国でも見られた。仮想通貨は脆弱な通貨を浸食するように、静かにその領域を広げている。 そして、この夏、ポスト・ビットコインが金融関係者の間で再び話題に上った。世界最大級だったビットコイン取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」の創業者であり、仮想通貨の「カリスマ」とされるジェド・マケーレブが7月末に新通貨「ステラ」の運営に乗り出したのだ。 本誌5月号で報じた通り、ジェドは09年にマウントゴックスを創設し、11年に売却。マウントゴックスの破綻直前の2月に「新たな仮想通貨を生み出す」と示