なぜ日本の純文学はつまらないのか なぜ日本の純文学がつまらないのか、私なりに考えたことを整理するために書いておくことにした。私は無知で無教養な若造なので、偏見と不確実な情報を含んでいることをあらかじめ断っておく。 ●純文学の新人賞が機能していない ・選考基準が不透明 文学賞の新人賞には選考委員の抱負のコメントが載っていたりするけれど、どこをどう評価するスタンスなのかという選考の基準は載っていない。それゆえに選考委員ごとに着眼点がばらばらで、何がどう評価されたのかよくわからないようなものが受賞している。 芥川賞や直木賞といった知名度が高い賞ですら選考委員の誤読がまかり通っていて、しばしば作家間の対立を生んでいる。芥川賞以下の価値しかない純文学の新人賞となれば、それよりも手抜きの選考状況となる。例えば水原涼「甘露」のように、文學界新人賞で筆力を評価されて受賞して芥川賞の候補作になったものの、芥