名誉と利益に操られて、落ち着く暇もなく一生苦しむことは愚かなことだ。 財が多いと我が身を守ることもままならない。害や煩いを招く媒介である。北斗星を支えるほど財を積み上げたとしても、子孫には迷惑にもなる。 愚かな人の目を喜ばせる楽しみもまたつまらぬものだ。大きな車、よく肥えた馬、宝飾品も、心ある人が見れば愚かだと思うだろう。金は山に捨てて、宝玉は淵に投げ捨てればいいのだ。利に惑わされるのは非常に愚かなことである。 永遠に続く名誉を世に残すことも、誰しもそうありたくは思うだろうが、位が高く高貴な人のみが優れた人だとは言えまい。愚拙な人だって、生まれが良くて時流に乗れば、出世して贅沢を極めることもできる。逆に賢者、聖人が低い身分のまま、時勢にも乗らず人生を終えた場合も多い。 やたら高い身分や職位を望むことも、利を欲するのに次いで愚かなことなのである。 智恵と心が非常に素晴らしいとの名声を世に残し