理化学研究所の松岡聡・計算科学研究センター長=6月、神戸市中央区の理化学研究所計算科学研究センター(南雲都撮影) 「富岳(ふがく)はまさに自分のスパコンの理想像を具現化した存在だ」。理化学研究所計算科学研究センター長で、スーパーコンピューターの世界ランキングで首位に立った「富岳」の開発責任者。富岳は計算速度だけでなく人工知能(AI)や大規模データの計算性能などを競う実用性の部門でもトップとなり、ユーザーの広がりを大いに期待させるデビューとなった。 東京都出身。高校から東京大大学院に在籍していた間、ソフトウエア開発会社「HAL研究所」で家庭用ゲームソフトの開発に携わり、任天堂元社長の故岩田聡氏と共作した「ピンボール」などを生み出した。 38歳で東京工業大教授に就任。同大のスパコン「TSUBAME」シリーズの開発を手掛け、その1号機の設計をしていた際、プレゼン用資料に「スパコンの理想像」として