※本記事は、北原みのり著「毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記」と、スタインベック著「エデンの東」の内容、および物語の核心に関する記述を含みます。 2017年4月14日。午後3時、木嶋佳苗被告(42)の上告が棄却され、死刑が確定することになった。 たまたま私はネットニュースでこの報を聞いたのだが、もはや上告をせず、あくまで自分の意思で死刑を選択する姿が、あの女性らしいと思った。 平成に現れた毒婦、木嶋佳苗。数々の詐欺事件と、いくつかの不審な死。明らかに不自然な状況にありながら、今日に至るまで殺人に関する決定的な証拠は得られていない。)そして、刑は裁判員制度という「感情」によって決まった。彼女は殺人犯か。それとも、詐欺師には違いないが、殺人にまで手を染めてはいないのか。もしや、今見えているのは彼女の犯罪のほんの一部で、より多くの犠牲が隠されているのか。死刑が決まってしまった以上、これらの疑問は永