「二兎を追う者は一兎をも得ず」 誰もが知ることわざがあるように、古くから日本では「1つの道を極める」ことが重要とされてきた。 ただ、時に天は二物を与える――野球と水泳、まったく異なる2つのスポーツで稀有な才能を与えられた少年が選んだのは、前代未聞の「二兎を追う」道だった。 光永翔音(みつなが・しょうおん)、この春から高校に入学する15歳だ。顔つきはまだあどけないが、身長190センチ・76キロの恵まれた体格は遠くから眺めていてもひと際目立つ存在である。 監督や仲間、母親にまでも名前の響きから「ショーン」と呼ばれるその少年は、野球と水泳の双方で誰もが羨むような結果を残してきた。 強豪・京葉ボーイズの3番、水泳では日本記録 小学1年から始めた野球は、小学6年時には千葉ロッテマリーンズジュニアに選出され、プロ野球選手と同じユニフォームを纏った。中学では全国優勝3回の強豪・京葉ボーイズで主に3番を任