習近平政権は2014年11月の「反間諜法(反スパイ法)」施行以来、中国内で活動する外国人の監視を強化しており、伊藤忠商事の社員が1年以上にわたって中国当局に拘束されている問題も解決の見通しが立っていない。 中国政府は反スパイ法を、治安維持だけでなく外交ツールとしてもフル活用している。特にカナダに対して中国は、露骨な「人質外交」を展開し、大きな反発を招いている。 「外国人逮捕」急増の背景 習近平政権は2014年11月の反スパイ法施行を皮切りに、「国家安全法(15年6月)」、「反恐怖主義法(反テロリズム法、16年1月)」、「網絡安全法(サイバーセキュリティ法、17年6月)」を相次いで施行し、テロ対策と治安維持の強化に注力している。 同時に中国内における外国人の逮捕・拘束件数も激増中だ。反スパイ法は治安維持を名目にしながら、政治や外交で中国と緊張関係にある国・地域の市民をスパイ容疑で逮捕し、相手