「最近、公明党は強気だ」 永田町で今、こうした見方が広がっている。 政策の決定や選挙の候補者擁立をめぐり、公明党は自民党との対立も辞さない姿勢を示している。両党の関係に変化が生じつつあるのか。公明党代表の山口那津男に迫った。 (山田康博・五十嵐淳) 夜のトップ会談 12月9日は朝から雲が空を覆いすっきりとしなかった。 この日の午後6時半、総理大臣の菅と公明党代表の山口の姿は永田町に近いホテルの35階にある日本料理店の中にあった。 東京スカイツリーをはじめ都内の夜景を一望できる広めの個室で、2人は感染症予防のため距離をとって向かい合った。 開口一番、本題を切り出したのは、菅だった。 「ご心配おかけしました。後期高齢者の負担の件は“選択肢③(年収200万円以上)”でお願いします」 山口は、即座に応じた。 「では、それでお受けしましょう、合意しましょう」 政府・自民党と公明党の間で難航していた7