人は多かれ少なかれ「承認欲求」によって突き動かされる。 ということはつまり、自分の承認欲求は抑制し、他者の承認欲求を満たせる人、つまり 「自らは控えめにし、代わりに他者を持ち上げる人」 が、いわゆる「コミュニケーション強者」になりやすいということだ。 そして、一部の政治家、経営者など、カリスマ的能力のある人は、この承認欲求の操作に極めて長けている。 例えば、最もカリスマ性があるとと言われた政治家の一人、田中角栄には、次のようなエピソードがある。 田中は秘書から金を配るとき、秘書の方から頭を下げて、納めてもらうべく丁重にお願いするように指示した。 「いいか、きみが候補者にカネをくれてやるなんて気持ちが露かけらでもあればかならず顔色に出る。そうすれば相手は百倍、千倍にも感じる。百万、二百万を届けたところで一銭の値打ちもなくなるんだ。」*1 この言葉こそ、承認欲求コントロールの達人の言葉だろう。
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