今日の体育は願いを叶える授業だということで、みんなずっと楽しみにしていた。 グラウンドを二周ほどして、準備体操。体育係の小宮祐介も、こころなしか早いペースで屈伸し、一番めんどうな体をまわす体操を先生にばれないように省略した。 「先生、体操終わりました」 「よし、じゃあ各自ボール取ってこい」 クラスの中心的存在をはじめ、活発な方の生徒が、ボールを入れた鉄かごに殺到し、その他の生徒が後に続いた。最終的には、カゴに頭を突っ込んでまともなボールを押して探している生徒たちが残った。 先生はそれを横目で見ながら指示を出す。 「そしたら、ボールに書いてある番号そろえて班をつくれー」 次々と班が、結局はいつも仲がいい同士のグループで作られた。さっそくボールをもって校庭に散らばっていく生徒たちの足取りは軽い。 各班、輪になってドラゴンボールを取り囲むと、少しして空が暗くなり、校庭がシェンロンだらけになった。