世の中には、色んな事情で「明るみに出ないこと」というものがある。たとえば、不正に関わることだ。不正というのは悪いことだから、暴かれない限りまずおおっぴらにされることはない。だが不正が起きるのにもそれなりの理由があって、気がついたらその不正を前提に行動しないといけなくなるなんてこともある。「談合」なんてのはその一例だろう。 明るみに出ない出来事とは、要するに「公式的には事実でないが、非公式には事実である」ということだ。その存在を誰も認めることはないけど、ほんとうにそれが事実でないかのように振る舞うとバカを見るので、非公式な事実に基づいた行動が求められるようになるのだ。 そして大抵の場合、こうした非公式な事実は、それがあることを知っている人間には有利に働くか、あるいは知らないと損をするという性質をもつ。だから非公式な事実は一部の人によって独占されるのだけど、独り占めしすぎると、その恩恵にあずか