昭和中期? ぐらいに大変活躍された日本の映画監督、小津安二郎氏のエッセイをまとめたもの。恐らくこの本を読む人、対象者というのは氏の映画をリアルタイムで経験した、ファンの人たちなのでしょうが私は氏の映画を一度も見たことがない。じゃあなぜ私が、氏のエッセイなぞを読もうと思ったかと言えば、敬愛する師匠である内田樹先生が、小津安二郎氏を師匠と崇め、批評も多くしているからなのですよね。 というわけで映画を見るまではいかなくても、気になってはいたのですよ。そこで本がこうして出たわけですから、読まないわけにはいかない。しかもこの『僕はトウフ屋だからトウフしか作らない』というタイトルはね、結構すばらしいと思う。まあ基本それだけの動機で読み始めたのですが、これが大変良かった。 基本はやはり映画監督ですから、映画語りです。また戦時なので、戦争に行った時の体験談、創作のコツ、などなどが描かれている訳です。日本映