親を亡くした子どもたちを支援する「あしなが育英会」が21日、米ワシントンで事務所の開所式を行った。同会が欧米に事務所を置くのは初で、アフリカの遺児に対して日本や欧米への大学進学を支援するのが目的だ。 同会は、日本国内の遺児を奨学金などで支援してきたが、2003年にアフリカのウガンダに事務所を設け、アフリカの遺児支援にも乗り出した。「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」を掲げ、第1期生として今年から10人のアフリカ遺児を海外の大学に留学させる。今後も規模を拡大していく方針で、大学に奨学金の支給を働きかけるほか、米企業からの資金集めや遺児の教育支援のため、ワシントンに事務所を開設することにした。 同会の現地法人の会長は設立当初から支援活動に参加し、野田政権で官房長官だった藤村修氏が務める。この日の開所式では「『あしなが』を世界語にしたい」と抱負を述べた。(ワシントン=佐藤武嗣)