トランプ次期米大統領は11日(日本時間12日)の記者会見で、日本を貿易不均衡の是正に向けた「標的」のひとつに挙げた。一方で、国務長官候補からは、沖縄・尖閣諸島をめぐる認識はオバマ政権の考え方を踏襲するメッセージが発信された。トランプ氏や次期政権中枢から繰り出される「トランプ砲」に、日本政府や経済界関係者は翻弄(ほんろう)されている。 「1980年代に戻ったという印象。先祖返りだ」(外務省幹部)――。対日貿易赤字への不満を表明し、日本企業を攻撃するトランプ氏の対日観について、日本政府内では懸念の声が上がった。 菅義偉官房長官は12日の記者会見で、日本企業の米国に対する累積直接投資が4110億ドルに上り、約84万人の雇用を創出しているとの米政府の統計を引用。「日本企業は米国の良き企業市民として米国民にもしっかり認知されている」と強調し、「活発な貿易投資は日米経済関係の活力の源泉だ」と述べた。