辛苦を艱まず、現在に根を張り、未来をポジティヴに冀う葎の姉妹 “人として”生きる道。その細き脚を大地に踏みしめて ~連理の姉妹、天命の酷しき境遇を打ち克つ縁、月並たるその強さを能く示す ■シークレットリーディング・西宮結絃から、メインヒロイン・西宮硝子へ。聲の形の大根幹を紡ぐ姉妹のアナザーストーリー。西宮硝子・大告白の前夜を描い た、結絃の回想と、大告白後の西宮家の小さなドラマである。 総合評価★★★★★(+10) / 筆致評価★★★★★ 強がりが折れかけた刹那、支え合う意味を知った瞬間 正直、ひとつの作品のために月刊誌を単発とはいえ買うというのは気が進まない。だが、「聲の形」の素晴らしさは、前にも言ったが、その内容の奥行きの深さ にある。少ないキャラクタでここまで人の心を突き動かす技量に、作者・大今良時氏の天性の才能が秘められているのだなと改めて痛感させられる。 「おもしろい物語」という