漂流するプラスチックごみによる海洋汚染が問題になるなか、オランダのNPOが、風や海流を利用した海ごみ除去設備を開発した。全長2キロの巨大な「浮き」を係留し、海面にV字形に浮かべるもので、来年中ごろにも長崎県対馬沖に世界で初めて設置する。 計画しているのは、オランダのNPO「オーシャン・クリーンアップ」。V字形の装置は、海水より軽いプラスチックが海流や風のおかげで自然に先端に集まる仕組みだ。魚やプランクトンなどは浮きの下から通り抜けるため、生き物への影響はほとんどないという。集まったごみは船で回収する。 同NPO創設者のボイヤン・スラットさん(20)は、10年間で北太平洋のごみ集中海域(太平洋ごみベルト)のプラスチックを半数以上取り除くことを目標にし、インターネットを通して不特定多数からお金を集めるクラウドファンディングで160カ国の3万8千人から200万ドル(約2億4千万円)以上を集めた。