民放キー局の10月改編が出そろった。視聴率が取れないとされていたドキュメンタリー番組を、TBSとテレビ朝日がゴールデンタイムにぶつけてきたのが特徴だ。「クローズアップ現代など硬派な番組が2ケタ視聴率を取り、世の中の風が変わってきた」(TBS)との読みがあり、ライバルはずばりNHK。娯楽重視だった民放の編成姿勢へ、変化が生まれてきた。(田辺裕晶) プライム大改造 TBSは水曜夜、3本の報道・ドキュメンタリー系新番組を連ねた。なかでも「水曜ノンフィクション」は「高品質のドキュメンタリー」が軸という。ゴールデン、プライム、全日ともに上半期4位に甘んじた同局では、プライムタイムの半分近い番組を入れ替える“構造改革”に踏み切り、改編率(変更する番組の割合)は46・4%に達した。吉崎隆編成局長は「人生や老後について『こんなはずじゃなかった』と思っている人が、フィクションや笑いだけを求めているのだろうか