迷子を送り届けようとして逮捕された事件が埼玉であった。あいさつしただけで不審者とされるケースも増えている。背景には、子どもを狙った凶悪事件の多発があるが、過剰反応とは言えないのか。教育評論家で法政大教授の尾木直樹さんに、話を聞いた。 「おはよう」とニヤニヤすると不審者になる ――「親切心」から小学1年の女児を連れ回した無職の男を逮捕した埼玉県警に、ネット上で批判が巻き起こっています。 尾木 埼玉の事件は、昔なら美談になりこそすれ、逮捕はありえないことですね。背景には、親や学校から見れば、過剰反応とは言えない事件が起こっていることがあります。しかし、不審者とみなされたり、逮捕されたりする現象だけ捉えれば、過剰反応であることに間違いありません。警察は「親に連絡するのが常識だ」と男を指導するのに留めるべきでした。いきなり逮捕は行き過ぎで、警察権力の横暴だと思います。 ――「事件」になった背景には
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