2013年はJR九州が「ななつ星 in 九州」、JR東日本が「TOHOKU EMOTION」をデビューさせるなど、「乗ること自体が目的」となる観光列車が各地でデビューした年だった。新しい旅の形として、鉄道ファンにとどまらず広く話題となったようだ。レストラン列車「おれんじ食堂」を運行した肥薩おれんじ鉄道も、その一翼を担ったといえる。この路線は旧鹿児島本線の一部だった区間で、九州新幹線新八代~鹿児島中央間が開業した2004年、第3セクター鉄道へ転換された。 その肥薩おれんじ鉄道について、路線を地図でたどってみると、出水駅付近で不自然に迂回しているように見える。海沿いにまっすぐ線路を敷けばいいはずなのに、なぜか米ノ津川をさかのぼるように南へ迂回し、折口駅付近でまた海岸沿いに戻る。平行する国道3号線はまっすぐ走っているだけに、鉄道の迂回が際立っている。 米ノ津川の河口が広くて鉄橋がつくれず、川幅が