日本銀行は18日、銀行や証券会社などが資金のやりとりをする短期金融市場に計11兆1500億円を供給すると発表した。東日本大震災を受けた大規模な資金供給は5日連続で、総額は約82兆円に達した。震災やみずほ銀行のシステム障害などで金融市場の不安が高まらないようにする狙いがある。 金融機関の手元資金量の水準を反映する日銀の当座預金残高は17日時点で31兆4400億円と、2006年3月以来約5年ぶりの高水準になっている。今のところ短期金融市場では、日銀の大量資金供給で「金融機関は必要な資金を確保できており、大きな混乱は起きていない」(短資会社)。 ただ、原発事故の解決に手間取っているうえ、金融界でもみずほ銀行のシステム障害が長引き、顧客らへの影響が広がっている。このため、日銀は当面、大量の資金供給を続ける方針とみられる。