肖像権とは、自己の肖像を写真、絵画、彫刻等として撮影されたり描かれたりしない権利、また、これを利用されない権利をいいます。写真家にとって肖像権の侵害は最も身近な法律問題なので、肖像権を侵害しないためにはどうしたらよいかという問題をご説明します。 一般的にこの問題に対する無難な回答は、「撮影時に可能な限り事前に同意を得ること。文書でも口頭でもよいが、文書が望ましい」というものです。しかし、現実には、スナップ写真を撮るときにそのような手順を踏むことはできません。したがって写真家にとっての関心事は、事前の同意なくして撮影することができるのは、どのような状況においてかということです。 過去に肖像権の侵害として訴訟になったケースは、大部分が(1)著名人の写真が雑誌等のマスメディアや写真集で公表されたケース、(2)犯罪報道に関連して写真が公表されたケースです。 芸能人、著名人の言動は報道の対象